人材育成に役立つ情報がたくさんCOLUMN

「アサーティブネス」をもっと身近に!

しばしば耳にする「アサーティブ」というキーワードについて、コミュニケーションに焦点をあてて、企業のグローバル化を支援されている株式会社セブンシーズ 揚石洋子さんにお話を伺いました

「なぜ、日本人はミーティングで黙っているの。質問することも、あまりないし、反応がなくて困る」私たち7-Seasは、日本人と仕事をしている海外出身のビジネスパーソンから、このような愚痴をこぼされることがよくあります。存在感のない日本人とのディスカッションは、もはやフラストレーションになっているようです。

しかしながら、私たち日本人は、決して、意見が無い訳ではありません。質問したいことだってたくさんあります。でも、なぜか、うまくいかない。つい、ためらってしまう。こうしたディレンマは、実は、ちょっとしたコミュニケーションの気づきによって乗り越えることができます。キーワードは、「アサーティブネス」。

アサーティブネスって?

「アサーティブネス」は、コミュニケーションのグローバル・スタンダードです。ビジネスのボーダレス化が加速し、価値観や、文化的背景の異なる人と接したり、仕事をしたりする機会は、もはや特別なことではありません。違いを乗り越えて協働していく時代に生きている私たちにとって、「アサーティブネス」は、サバイバルに必要なLIFE SKILLと言ってもよいかもしれません。

そもそも、アサーティブネスは、日本人の価値観と合わない?

しかしながら、日本人の意識の中には、自己主張は慎み謙虚な姿勢を大切にすべきだという価値観や、NOということで相手の気分を損ねたり嫌われたりするのではないかという懸念や恐怖心があるのも事実です。

いざ、「アサーティブ」になろうとしても、なかなかなれないという声もよく聞きます。そんな時、私はこのようにお応えしています。「実は、アサーティブネスは、もう既に権利として、あなたにも備わっていますよ」と。

「アサーティブネス」って権利だったんだ!

アサーティブ・コミュニケーションとは、他者の意見や権利を尊重しつつ、自分の権利や要求限界を伝えるために意見を表明することです。グローバル環境においては、「アサーティブネス」は、特別なスキルではなく、全てのステークホルダーに平等に与えられているコミュニケーション上の「権利」です。

では具体的に、アサーティブ・ライツ(Assertive Rights)とは何でしょうか。アサーティブ・コミュニケーションにおける10の権利をご紹介します。

  • 自分の意見を述べること
  • 自分の要求を伝えること
  • 自分の気持ちを表現し、真剣に受けとめてもらうこと
  • 優先順位を決めること
  • 失敗できること
  • 自分の意見を変えること
  • 考える時間をもらうこと
  • 個人的な質問に答えないでよいこと
  • 他の人の言動に対する責任を自分が負う責任がないこと
  • 自分の意見を言うタイミングや、言うか言わないかを選ぶこと

いかがでしょうか。「アサーティブネス=エゴイスティックな自己主張」というネガティブなイメージを持っていた方には、意外な発見があったのではないでしょうか。

ここで、1点、強調しておきたいことがあります。それは、アサーティブ・ライツは、自分だけの権利ではなく、他者の権利でもあるということ。グローバル・コミュニケーターとして、自他共にアサーティブ・ライツを尊重することで、一歩踏み込んだビジネス・パートナーシップを築くことができるのです。

アサーティブネス + 共感を示す

パートナーシップを築き、信頼関係を深めていくには、率直な対話をするだけでなく、相手に対して共感を示すことは大変に重要です。

例えば、「I understand…, but…」 や、「I hear what you’re saying… however…」 など、まず、相手に対して共感や理解を示した上で、自分の意見を述べるというコミュニケーション・スタイルを心がけてみてください。

「I’m fully aware of the situation, but…」 と前置きをすることで、日本人が大事にしたいと思っている場の空気を読む力や、相手への思いやりも示しながら、アサーティブネスを発揮することができます。

前号のコラムでご紹介させていただいたグローバル・コミュニケーターに求められる6つのスキルの中にも、アサーティブネスは含まれています。とりわけ、共感型のアサーティブ・コミュニケーションを実践することで、グローバル人材に求められる6つのスキルを同時に開発していくことができます。ぜひ、一石六鳥を目指してもらいたいです。

揚石 洋子Yoko AGEISHI
株式会社セブンシーズ 取締役会長&COO
学校法人立教女学院理事・評議員会議長

立教大学文学部英米文学科卒。中学生時代をインドで過ごす。アパルトヘイト政策下の南アフリカ共和国において初の名誉白人学生として国立Witwatersrand大学に入学し、演劇学と言語学を専攻。

帰国後、日本航空に入社し、東京支店カウンターセールス部にて顧客対応スペシャリストとして勤務。その後、ドイツ、アメリカでの海外生活を経て、株式会社モデル・ランゲージ・スタジオにて企業研修事業部長を務める。ハリウッドで活躍する日本人俳優向けのトレーニング技法を、ビジネス・パーソン向けの研修の現場に応用し、その実績が、クライアント企業から高く評価される。

2003年、株式会社セブンシーズを創業。「誰もが真のグローバル・コミュニケーターに!」をコーポレート・ミッションとして掲げ、日本に根ざして活躍する優秀でモチベーションの高い各国のコンサルタントと協業し、語学だけに頼らないコミュニケーション力を養成する研修を開発。多数の外資系企業および日本企業に対して、各社の人材開発ニーズに即した研修プログラムと、コンサルティングを提供している。

グローバル・コミュニケーション教育の専門家として、30年のキャリアを有し、これまでに10,000人以上のグローバル人材の育成に貢献。グローバル人材に求められる6つのスキルをわかりやすくトレーニング形式でまとめた著書 語学力ゼロから『「世界で成功する!」人になる[グローバル・コミュニケーター入門] 』は、数多くの企業にて研修教材としても導入されている。

RELATED

RANKING

FOLLOW US最新情報をfacebookで!

株式会社ウィル・シード

〒150-0013

東京都渋谷区恵比寿1-3-1
朝日生命恵比寿ビル9階

03-6408-0801 (代表)