CASE03若手社員 × 階層別研修 × 海外体験
~若手社員をグローバル化の起爆剤に~

東京海上日動
火災保険株式会社Tokio Marine & Nichido Fire Insurance Co., Ltd.

東京海上日動火災保険のインタビュー風景

丁寧に人を見て、
丁寧に人を育てる。
それが東京海上日動流

ー東京海上日動の海外派遣型研修は入社3年目の全社員を対象にしている点が特徴的です。もっと経験を積んだ上の年次で実施する、あるいは選抜形式で実施するといった方法もある中、かなり大胆な決断にも感じられます。この狙いは?

本田:「自ら考え、発信し、行動する人」。弊社では、こうした人材を育成したいと考えています。この研修では、普段とは異なる環境に身を置き、チャレンジ精神を発揮してもらいたい。職場に戻ったとき、その後の仕事への取り組み方がわずかでも変わってくれたらそれでいい。そこに主軸を置いているのです。

すぐに海外で活躍できる人材を育てることを目指すのでなく、まずは仕事の本質に気づいてもらいたい。その上で経験を積み重ね、真のグローバルリーダーへと成長してほしいと思っています。

東京海上日動火災保険のインタビュー風景

二宮:対象年次については社内事情もあります。弊社の場合、4、5年目で転勤や異動などがある。3年目で海外ビジネスを目の当たりにすることで、新天地でさらにフィールドを広げられるとも考えています。

入社3年目というのは、自分の業務について一通り理解できており、かつ、まだまだ柔軟性がある時期。グローバル的要素を吸収するには最適です。今の時代、いつ、どこでグローバルな仕事をするかは分からない。だからこそ、全員に平等な機会を与えたいのです。

本田:弊社は社員が活躍できる環境づくりのキーワードとして、〈期待する〉〈鍛える〉〈活躍する機会と気づきの場を与える〉という「3つのK」を掲げています。人は育てるものではなく、育つもの。だからこそ、人材育成は3つのKに尽きると考えています。年次、日本人・外国人、男・女の別を問わず、同じように平等に期待し、鍛え、活躍する機会と気づきの場を与えることがすべてだと思います。

保険サービスは欧米で「ピープルズビジネス」といわれるように、弊社が提供する商品やサービスには「もの」がありません。人と人とがつくる信頼関係がすべてです。人が大切であるという点は顧客に対してだけでなく、社員に対しても同様。弊社では人に投資することは当然だという文化があります。このアイデンティティが研修にも表れた結果といえますね。

これからの成長を加速する
若手時代の修羅場経験

ーこの施策では、どのようなプログラムが組まれているのでしょうか?

二宮:大きく分けて3つのプログラムがあります。1つ目は海外現地法人で現地のオペレーションを教えてもらったり、現地代理店を訪問したりと、現地のビジネスを学ぶプログラム。2つ目は、海外でフィールドリサーチを行い、会社に対して新規提案を行うプログラム。3つ目は、現地企業でのプラクティカル・トレーニング(海外インターンシップ)プログラム。派遣する現地企業はさまざまあり、IT系、広告系など、異業種の業務を経験し、一定の成果を出すことを目指します。期間はいずれも2週間程度です。

本田:参加プログラムは本人が上司と相談して決定します。海外現地法人には「海外での保険サービスのオペレーションを知っておきたい」といった社員が多く手を挙げる傾向があります。

東京海上日動火災保険のインタビュー風景
人事企画部 次長 兼 人材開発室 課長
能力開発チームリーダー 
本田 淳 氏(右)
人事企画部 人材開発室 課長代理
能力開発チーム 
二宮 英太郎 氏(左)

上司がより成長を期待する場合には、プラクティカル・トレーニング(海外インターンシップ)など、ハードルの高いプログラムに推薦しているようです。駐在員経験のある上司などは、現地での保険サービスのオペレーションであれば行かせずとも自分で教えられるので、この傾向があります。

ーあえて修羅場経験をさせるわけですね。

本田:そうです。先ほど二宮がいったように、3年目は自分にできることが増える時期。もちろん、自信や余裕を持つことは大切ですが、このタイミングで一皮むける経験をどれだけするかによって、その後の成長度合いは変わってきますから。

東京海上日動火災保険のインタビュー風景

ー修羅場経験とは、具体的にどのような経験を?

本田:プラクティカル・トレーニング(海外インターンシップ)は特にそうですが、会社の看板が通用せず、慣れ親しんだ環境でもないところで成果を出すことは難しい。これこそが修羅場経験ですね。そこでいかに動けるか、とことん考えてほしいと思っています。

インドのIT企業のHR部門で従業員満足度調査を担当したある社員は、任意のインタビュー調査に協力してもらうために早朝から会社に行き、できるだけ大勢の人に話しかけたり、マラティ語やヒンディ語を覚えたりと、従業員との距離を縮める努力をしたそうです。英語も流暢ではなかったのに、マラティ語やヒンディ語も学んだとは、本当に必死で取り組んでいたのでしょう。

営業部門に派遣された別の社員は、インターン2日目にして急遽サービス内容が大幅に変更されるという体験をしたそうです。当社ならば数年かけて検討されてもおかしくない事案がたった一晩で変更され、インターン先の社員が全員で迅速に対応する姿を見て、成長するマーケットの勢いや求められるビジネススピードを肌で感じたそうです。こうした経験は日本では体験できないことでしょうし、体験したからこそ、自分に足りないものが見えたのではないでしょうか。

人材育成は時間がかかる。
人事側の覚悟も欠かせない

東京海上日動火災保険のインタビュー風景

ーこの施策を経て、参加者の皆さんにはどのような変化が生まれましたか?

二宮:勤務地が海外であろうと、国内であろうと、グローバルにビジネスを捉えられるようになることがこの施策の目的。その点では功を奏しているのではないでしょうか。

特に近年は、海外に打って出ようとする顧客が大勢いらっしゃいます。そうした顧客を支援するとき、短期間とはいえ、自分自身が海外ビジネスを体感して感覚をつかんでいると、まだまだ未熟さを感じながらも「なんとかできる」という自信を持ちプラスアルファの行動をするようになります。

例えば、顧客から海外に関わる問い合わせがあった際、かつては関連部署に問い合わせておしまいにしていたところを、自分で現地に連絡を取ったり、現地の情報を調べたりして顧客に価値を提供しようとするようになるなどです。

本田:語学力やコミュニケーションの問題、仕事の進め方など、海外ビジネスに苦手意識を持つ社員はまだまだ多くいます。しかし、現地での経験を通じて、さまざまなことにチャレンジすることが大切だと確信すると、戻ってきても苦手なことにどんどんチャレンジするようになります。

社内会議一つをとってもその姿勢が表れます。これまでは上司や先輩の意見を聞くだけだったのに、臆せずに自分の意見をいえるようになったという変化をよく聞きます。海外で、自ら発信しなければ周囲の人間に埋もれてしまう経験をしてきたからでしょう。参加者からも「海外経験は、自分の存在価値を考えさせられる機会になった」という声がありました。

ーそうした成長を、周囲の皆さんはどのように感じているのでしょうか?

本田:帰国後、自ら語学学校に通い始めたり、若手だけでグローバルビジネスの勉強会をスタートさせたりと、若手が積極的に動く様子に刺激を受けている社員も多いと思います。

特にやや年配の社員は、自分たちが入社したとき、これほどまでにグローバル化が進むとは思っていなかった世代。「会社が本気でグローバル化に舵をきっている」という事実を若手の姿からひしひしと感じています。

いわば、健全な危機感ですね。「若手が頑張っているなら、自分たちもやらなくては」という雰囲気が生まれつつあります。

東京海上日動火災保険のインタビュー風景

―今後の展望は?

本田:期間やプログラム内容など、まだ検討の余地はあると思っています。この施策はグローバル人材のすそ野拡大をうたっていますが、このプログラムを受講したからといって、すぐにグローバルに活躍できると考えているわけではありません。人材育成は、本当に時間がかかるからです。

だからこそ、最終的には「やるか、やらないか」。覚悟を決めて、成功するまで絶対にこの取り組みをやめないこと。この気持ちが何より大切だと思っています。

東京海上日動火災保険のインタビュー風景

早い段階から選抜し重点的に投資するという欧米型の人材育成が数多く見られる中、全員に平等な機会を与え、長期的に組織を巻き込みながら人材育成をしている、きわめて胆力のいる稀有な施策だと感じます。
〈期待する〉〈鍛える〉〈活躍する機会と気づきの場を与える〉という「3つのK」のエピソードがとても印象的でした。

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