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かつていた “とんがったリーダー”はどこへいったのか?

しばしば耳にする ”とんがり人材”問題。その「要因Ⅹ」と、飛びぬけたリーダーの開発レシピを考えます。

「昔はとんがった人材やリーダーがいたのに、どこにいってしまったのか…」
“とんがりリーダー”の枯渇問題は、数十年前とのビジネス環境の違いを主な要因(昔はビジネス立ち上げ・マーケティング・営業・経理など、すべて自分でやったものだ・・)として挙げがちです。しかし、それ以外にも内外環境で様々な要因があり、議論は尽きません。その大きな原因の一つとして存在するであろう「要因Ⅹ」が、このとんがり人材枯渇と密接に関連すると思われるのです。

リーダーシップ開発会社 世界のリーダー2万人の研究

アメリカのジャック・ゼンガー博士とジョセフ・フォークマン博士が、アジアを含むグローバルの様々な年齢・国籍のリーダー2万人の業績データおよび360度評価結果のビッグデータ解析を大々的に実施しました。その結果、驚くべきインサイトが数々発見され、「飛びぬけたリーダー」という新しい概念を生み出したのです。

2万人のビッグデータ解析からわかったインサイト(の一部)

対象者2万人のうち、飛びぬけたパフォーマンスを生み出しているリーダーにフォーカスを当て分析した結果、ある1つのインサイトが浮かび上がりました。

飛びぬけたパフォーマンスを生む「飛びぬけたリーダー」の決定的に重要な要因は、弱みの有無よりも、『飛びぬけた強みを持っていること』である。飛びぬけた強みを1つもつだけで、上位35パーセンタイルに入るのだ。

実はこれが上述した「要因X」です。あくまで仮説ですが、「昔は確かに存在したとんがったリーダー」に関して確実に言えそうなことは、だれにも負けない『飛びぬけた強み』を彼ら・彼女らはもっていたのではないでしょうか。近頃の例でいえば、スティーブ・ジョブズなどが、その典型でしょう。

ところで、皆さまの会社ではどちらを重視されていますか。

 

  • 強みを見出し、強化する
  • 弱みを見つけ、克服させる

 

研究結果は、我々が「弱み克服がいつか優秀なリーダーを生み出す」という都市伝説を信じている可能性を示唆しています。

 

  • 「弱み克服」≠
    「飛びぬけたパフォーマンスを生む飛びぬけたリーダー」
  • 「弱み克服」+「飛びぬけた強みの開発」=
    「飛びぬけたパフォーマンスを生む飛びぬけたリーダー」

 

弱み克服も重要です。しかし、飛びぬけた強みを早期に開発する(望ましくは複数)、それこそがリーダーシップ開発における最重要な論点であることをジャック・ゼンガー博士とジョセフ・フォークマン博士は発見したのでした。

誰でも強みはある。スーパーマンにはなれないが、飛びきりの強みをいくつか持つリーダーになら、なれるはず。そのようなリーダーで全ての組織を満たせたら、組織は大きく変わる。我々は弱点・弱みを改善しなければならないという思い込みが骨の髄までしみこんでしまっている。企業や組織がリーダー陣の弱みをなくそうとして躍起になることが業績のさえないリーダーを蔓延させている可能性がある。
(引用元:センガー・フォークマン社 ホワイトペーパー 「リーダーシップについての科学的考察」)

このインサイトは、私たちに次のような命題を投げかけているように感じます。皆さんはどう思われますか?

圧倒的な強みは弱みでさえ打ち消す。しかし、圧倒的な強みがない人に対しては弱みしか思い浮かばず、その弱みを克服しても並みのリーダーで終わってしまう

今後複数回にわたり、他のインサイトをご紹介していきます。これらインサイトこそが「飛びぬけたリーダー」を育成・開発するレシピであるとともに、とんがったリーダーを輩出していくことにもつながるのではないか…と思うのです。

 

【インサイト】

  1. 飛びぬけたリーダーは飛びぬけた強みから生まれる
  2. 16の差別化コンピテンシー
    リーダーシップコンピテンシーを、なんでも磨けばよいというわけではありません。「組織パフォーマンスと相関が高く」且つ「2万人のTop10%とBottom10%を分ける」他者との違いを生む16の差別化コンピテンシーとは・・
  3. 飛びぬけた強みと致命的欠点
    とびぬけた強みやその候補とは何か、とびぬけた強みの基準とは? そして、それをどのように見出すのか。そして、克服しなければならない致命的欠点とは・・・
  4. 能力開発ターゲットの戦略的絞り込み
    能力開発ターゲットとなるコンピテンシーを、組織と個人がwin‐winとなるよう、戦略的に特定・絞り込む方法とは…
  5. 強みをさらに強化するコンピテンシー・コンパニオン
    世にある能力開発の隠れた前提は「-」を「±0」へ、つまり、出来ないことをいかに出来るようにさせるか、です。コンピテンシーコンパニオンとは、-から±0ではなく、+を++にする方法論です。そこそこの強みを飛びぬけた強みに強化する方法とはいったいどのようなものか…

 

インサイトについて異なる切り口で分析されたゼンガー・フォークマン社のホワイトペーパーにご興味をお持ちの方は、資料請求ページよりご連絡ください。
(ゼンガー・フォークマン社商品の日本総代理店は株式会社スマートワークス社。ウィル・シードは同商品の販売パートナーです)

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