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Chiesta│反転学習の新たなデザイン指針 (1)

ED TechやHR Techなど、テクノロジーの進化とともにオンライン学習の活用についても様々な模索・挑戦がおこなわれています

新しいようで古くから語られてきた「反転学習」

ここ20年くらいの間、「反転学習」「フリップド・ラーニング」「ブランディッド・ラーニング」と呼称を変えながら、同じテーマが繰り返し何度もトレンドになってきました。その背景には、通信ネットワークの革新やサーバの増強、スマートフォンなどのデバイスの進化、あるいはインフラのコストダウンによって“デキルこと”が増えたこと(と、トレンドメーカーの存在)が挙げられます。

一方、学習コンテンツの作り方については大きな変化が見られないようにも感じます。“研修を効率化しよう”という掛け声のもと、テキストと図表や写真といった静的コンテンツと、アニメーションや映像といった動的コンテンツを組み合わせるという表現手法を用いて、eLearningコンテンツに色々な情報を詰め込でいるだけのサービスも散見されます。

eLearningとは異なる進化として、“研修のオンライン化”も挙げられます。同じサイト・同じ部屋に集い学ぶ集合研修に対して、TV会議システムやSkype/ZoomなどのWebサービスを活用しオンラインで集合する形態です。今回はテーマが拡散するため、伝統的な集合研修とeLearningに絞って、「反転学習」のデザイン方法を考えていきます。

生成的な集合研修とeLearningは組み合わせるのか

集合研修と言っても目的に応じて様々な形式があり、

例えば、

  1. 知識の習得
  2. 技術(スキル)の訓練
  3. 意識(マインド)の醸成

に大別できます。

多くの研修は、全ての目的を含みつつも狙いに応じてその比重を変えて構成されていると言えます。

その中で、eLearningと“相性が悪い”のが「3. 意識(マインド)の醸成」をテーマにする研修でしょう。例えば「eLearningで学ぶリーダーシップ開発」とは、果たしてどのようなeLearningコンテンツなのでしょうか。

ウィル・シードの研修はこの意識醸成をテーマにした「生成的な場づくり」に特徴があります。そこで、このようなテーマにどのようにeLearningという手法・テクノロジーを取り入れるとよいのか、これまでの実験的取り組みで見えてきた3つの学習デザイン指針を紹介します。

【指針】

  1. カリキュラムを一致させる
  2. 事前学習のバラツキを許容する
  3. 多様な学習ニーズに寄り添う

それぞれの指針については、次のコラムにて詳説します。いずれにしても、集合研修にあってeLearningにない最大の特徴は、同じ場を共有することによる「ライブ性」です。

集合研修では、その場で出た発言や表情から思考や感情を類推して、新たな問いを投げかけたり、ディスカッションをうながしたり、あるいは身体的ワークに取り組んだりできます。ファシリテーターやコンサルタントの力量が問われることは言うまでもありません。

この「ライブ性」を高めるための手段としてeLearningを活用することから発想すると、これまでとは異なるプログラムを描けます。あえて“不完全なeLearningコンテンツ”をデザインするということです。単独で成立しえないeLearningコンテンツこそ、より良い反転学習をデザインするヒントになるのではないでしょうか。

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