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Chiesta│“おもしろい” 動画コンテンツとは?

動画コンテンツは、新入社員に自発的な学びをうながすための有効なツールです。動画制作のスタート地点を変えたら、新しい発想がうまれました。

技術の進化によって動画制作は身近になり、Webを検索すれば無料の学習動画もたくさんヒットします。学習性という観点でとらえると、そもそも文字情報よりも映像情報の方が受け取る情報量が格段に増えますし、単に文字を読むだけよりおもしろく感じられます。

しかし、大学や予備校の授業を固定カメラで撮っただけの動画に代表されるように、かならずしも「動画=学習継続への動機づけがされる」とは限りません。

eLearningで学ぶ動機づけとして、最も簡単な手法は「強制」でしょう。「●●までに、必ずオンラインで学習しなさい。さもなければ~~」となれば、学習率はあがります。難しいのはその次。「学んでほしいけど、強制はしがたい」というeLearningは、コンテンツの“おもしろさ”で学習者を惹きつける工夫が必要です。

餅は餅屋。動画制作は“なに屋”に?

「皆さんが知っているかどうかわかりませんが、番組づくりっていうのは、視聴者にチャンネルを変えられないようにするための大小さまざまな工夫が凝らされているんですよ」

あるとき、テレビ番組のプロデューサーをする知人から貴重なアドバイスをもらいました。だとしたら動画の学習コンテンツも、eLearning制作の会社ではなく、テレビ番組を制作している会社と一緒に創った方が、受け手にとって“おもしろい”コンテンツになるのではないか。ここがスタートでした。

そして、「おもしろい=笑える」ではない。おもしろい番組をつくろうとしたとき、単純に芸人さんを起用すればよいか、というとそうでもないそうです。やはり売れている芸人とこれからの芸人、力のある司会者とこれからの司会者では、映像の出来が全く違うことも教えてもらいました。

職場には「こんなおじさんがいる」を伝えることこそ重要

ウィル・シードで新入社員向けの動画コンテンツをつくったとき、新入社員が「最も知りたいこと」をリサーチしていくと、当たり前だが大切なことに気づきました。それが、「職場のリアルを知りたい」という声。

職場のリアルも多種多様なので簡単ではないリクエストですが、極論すると、大学生にとっては「普段は接していないおじさんやおばさんと働く」イメージがついていない、ということがわかってきました。

最近はインターンシップなどを通じて、採用後のイメージギャップを軽減する取り組みも多く行われています。しかし少々の経験では、職場にどのようなおじさん・おばさん、お兄さん・お姉さんがいて、どのような表情で、どのような声のトーン・緊張感をまとって仕事をしているのかわからないのが現実です。

このイメージがつかないままに、例えばビジネスマナー研修で名刺交換の練習をしても、振り付けを学ぶ程度に過ぎません。もちろん、振り付けは振り付けで学ぶ必要があり、そのためには反復トレーニングも必要でしょう。しかし、そもそも自分自身が職場で名刺交換をしている様子をどこまで想像できているのか、つまり学ぶための動機づけが一層重要になると私たちは考えました。

観あきない動画こそが、おもしろい学習コンテンツ

このような方針で、番組クルーと共に制作した新入社員向けの動画は、大変に好評をいただいています。人事の方のみならず、デジタル・ネイティブ世代の新入社員の方からも評価してもらえたことは自信にもなりました。

「映像のクオリティが高いですね」「飽きずに見ることができました」という声は、TV番組スタッフからすれば最低限の評価ですが、オンラインン学習コンテンツとしては上々の評価。とくに、繰り返し視聴してもらっている動画などは、「役に立つ」と感じているからこそでしょう。

新入社員研修後に、再試聴されることも多くあります。1つには、集合研修のおさらいをしたいというニーズ。もう1つには、配属後により切迫して学ばなければいけないというニーズのようです。「集合研修で原理原則を学んだあとに、動画でやり方を学びなおすと、気づかなかった点にも気づけるようになる」という声もありました。

TVと学習コンテンツは“遊び”の幅がちがう

映像を制作したときのエピソードを1つ。制作スタッフの方からは「どこまで“遊んでよいのか”が難しかった」というフィードバックがありました。実際に、多くの“おもしろそうな”アイデアをいただきましたが、「新入社員研修に向けた動画コンテンツ=新社会人が学ぶコンテンツ」として、どこまで崩してもよいかという線引きには、頭を悩ませました。

結果的に、「ウィル・シードらしく」という曖昧なスローガンで品質管理をしましたが、お客様によっては「堅い」と感じるかもしれませんし、あるいは「ふさわしくない」と感じられるかもしれません。あらためて「おもしろい」という言葉を考える機会にもなりました。

ちなみに番組クルーにも様々な得意がありますが、今回は主にドキュメンタリーを得意とするチームに協力してもらいました。映像をご覧いただくとエッセンスを垣間見えると思います。そして、もしドラマが得意のチームと組んだり、エンタメが得意のチームと組んだらまた全くちがう“おもしろさ”を演出できたのかもしれません。この辺りの“遊び”も難しさの一つです。

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