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- 2019.10.18
- 学校教育
スタッフ日記|考えるより踏み出そう
都立高校生を対象とした起業家教育プログラム『起業・創業ラボ』が実施されました。
関わったウィル・シードスタッフが得た『学びや気づき』をスタッフ日記としてご紹介します。
『起業創業ラボ』とは、起業・創業学習を通して起業・創業への関心を高め、都立高校生等の起業家精神を醸成するとともに、新しい価値を創り出す力を育成するための取り組みです。取り組みに共感し手を挙げたウィル・シードスタッフが、高校生のメンターとしてグループワークに参画し一夏を共にしました。
活動の詳細は、【東京都の教育内容ページ】に随時掲載される予定です。
今回の日記執筆は、営業職の石川大貴。
考えるより踏み出そう
昔の自分
私は学生時代のすべての時間をサッカーに費やしてきました。
どうしてもプロになりたくて、Jリーグの下部組織で過ごしました。
中学では週6回、片道2時間半かけて練習に行き、高校では親元を離れて寮生活をしました。その後、大学の部活を経由してプロの道に進むことを目指しました。結果としてプロにはなれませんでしたが、就職するまでの自分の人生はすべてがサッカーだったと思い返すたびに実感します。
中学、高校のJリーグの下部組織で過ごした6年間でプロの厳しさを目の当たりにしました。隣のグランドで練習して、同じ寮に住んでいるプロ選手の存在がプロの世界を理屈じゃなく実感させてくれました。
プロの世界は結果がすべてでした。試合に出て結果を残せなければ、契約も更新できずチームを去る若手選手もたくさん見てきました。自分の大好きなサッカーで努力し続けて夢を叶えてプロサッカー選手になったのに、その先にはとても厳しい世界が待っています。
努力しないと叶わないけど、努力したから叶うわけじゃないという世界の厳しさを肌で感じました。当時高校生の自分は、プロの世界の厳しさを目の当たりにし自分はやっていけるのか、成功できるのか不安になり、「なれる確率も高くないしプロじゃない道もある」なんて弱い自分が出てくるときもありました。
それでもプロになりたくて大学卒業まで無我夢中で走り続けましたが、「プロになる」というのは本当に難しいことなんだと感じました。
参加してくれた高校生
そんな経験をしてきた私は「起業したい」という高校生の彼らを、どこまで本気なのか?という目線で見ていました。
世の中にどんな会社があるのかも知らないし、どんな業界があるのかも知らない高校生の子たちが「起業したい」って全然リアルじゃないと思っていました。でも起業創業ラボの初日、来てくれた子たちは、とても目をキラキラさせて起業家の方の話を聞き、全力でワークに取り組み、与えられた問いに向き合っていました。
もちろん社会に対する知識も全然足りないし、企業に対する知識もぜんぜん足りません。でも全力で向き合っていました。周りから冷静に見たら「これで起業は無理じゃないかな」って感じたこともありますが、あれこれ考えるよりも、まず前に進んでいるんだと思いました。
できなかったことがどんどんできるようになる彼らのエネルギーは圧巻でした。与えられた課題に本気で取り組み、運営側の私たちの期待以上の熱量でアウトプットし続ける彼らのすごさを段々と感じるようになりました。
最終発表会では、発表のギリギリまで入念に準備をし、とても緊張した様子で発表をしていました。発表のクオリティーよりも彼らの本気度に私は心動かされました。どのチームもプロジェクトをやり遂げた達成感と「何かもっとできたんじゃないか」という少しの後悔を感じて起業創業ラボが終わったんじゃないかなと思っています。
今の自分
彼らを見ていて今の自分は段々と熱くなることが少なくなってきているように感じました。
「この仕事は」「あの人は」「ふつうは」のように判断基準を自分ではなく外において、自分の内発的動機で行動できていないように感じます。「なれるかわからないけどプロになりたい」と、確率でなく自分の想いに素直に行動していた自分は、とても泥臭かったけど毎日が全力でした。
昔プロになりたかったときの自分と彼らは少し重なるような気がしました。もう1度彼らのように、なれるかわからないけど、できるかわからないけどとにかく自分に素直に行動していきたいと思います。
【起業創業ラボ 集中型メニュー】
オリエンテーション
DAY1:未来に起こることを想像する
DAY2:現在のビジネス・業界情報を調べる
DAY3:インタビュー/リサーチをする
DAY4:ビジネスチャンスを発見する
最終発表会