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【後編】三井物産人材開発に学ぶ!役職にとらわれないリーダーシップ
~若手活躍のポイントを探る~

どうすれば若手のリーダーシップを引き出せるのか?

三井物産人材開発様より人材開発部長の佐々木孝仁氏をお招きし、
役職にとらわれないリーダーシップをテーマに、 “今の事業”で活躍している中堅リーダーではなく、これから活躍してほしい若手社員のリーダーシップを引き出す施策・風土づくりについて語っていただきました。
オンラインセミナーの内容を、前・中・後編の3回に分けてご紹介。

最終回は【後編】として、参加者の方とのQ&Aをお届けいたします。

2022.07.13

Q.無理にリーダーシップを発揮せずとも、給与や役職や待遇は変わらないと捉える方もいる場合、動機づけ・意義づけで工夫されていることはあるのでしょうか?

佐々木:これは自律的キャリアの話だと思っています。自律的に自分のキャリアをつくっていくための必要な学習を自分で行うこと、言い換えると会社に頼らずにキャリアを構築する、というOSを搭載し、長期的に自分のありたい姿を考えていくことができると、目先の給与や役職が変わらないということに捉われず、長期のスパンで自分がリーダーシップを発揮する動機が持てると思います。

もし給与も役職も50年変わりませんという会社の場合は、その前提で自分のキャリアをどう設計するのか、あるいは本当にその会社で自分のキャリアを積んでいくのかを考えてからでないと、リーダーシップの発揮に対するインセンティブは湧かないのではないかと思います。

瀬田:確かに、キャリア教育とセットなんですね。

Q.社内浸透や、上司層の意識改革の動機づけはどのような工夫をされていますか?

佐々木:ご質問されている方も本当にご苦労されているのではないかと思います。私が直接行ったということではないですが、流れの1つとしてあるのはD&Iかなと思います。D&Iは喫緊の課題となっているので会社としてどう進めるのかという時に、現場としては乖離があったりもします。しかし経営側としては推進しなければならない、その時にある手法の1つとしてはアンコンシャス・バイアスです。アンコンシャス・バイアスについて学ぶと、自分自身が持っている固定観念が、いかに様々なことを阻害しているのかに気づく方が多いんですよね。D&Iを推進する取り組みの一環としてアンコンシャス・バイアス研修を行ったのですが、受けた上司の方が「このままでいいんだっけ?」と揺さぶりをかけられ、自らの固定観念に気づいた、という声を聴きました。

目指すべき山の登り方は様々ですし、社内理解を得ることには困難もあるかと思いますが、ダイレクトにアンコンシャス・バイアス研修やりましょうとか、上司のマインドセットを変えましょう、というと反発も起きやすいとことが多いと思うので、経営の視点や、会社の流れに沿ったものを上手に使いながら、少しずつ上司層に対する納得を得ていくという回り道作戦が効くのかなと思います。

Q.海外と日本でシェアド・リーダーシップを推進するときの留意点の違いは?

瀬田:たしかに海外スタッフの方は役割意識が日本以上にあり、リーダーシップはマネジメントポジションの人が発揮すべき、という考えがあるかとも思いますがいかがでしょうか?

佐々木:なるほど、そうですよね。私も海外赴任の期間がありましたが、海外スタッフの方は定時になったら帰宅するとか、ジョブディスクリプションに書かれていることだけをやる、という人も確かにいました。結論から言うと、我々もまだトライを始めたばかり段階なので、どのように進めていくかはまだ模索しています。

実は、先ほどご紹介したリーダーシップ研修を海外でも開始したばかりです。海外の社員も三井スタッフであることに変わりはないので、全社のレベルアップを本質的に行うという意味では、日本と同様、リーダーになってから開発したのででは遅いという考えのもとに推進しています。海外スタッフには、リーダーという役割とリーダーシップを切り離して、リーダーではなくてもリーダーシップは発揮した方が良いよね、という考え方は比較的受け止めてもらえています。つまりジョブディスクリプションに書いてないので、リーダーシップを発揮した分給与をUPしろ、となるというよりも、次のレベルのことが出来るようにチャレンジすると、自分の対応可能なジョブサイズを大きくできるよね、という説明で納得を得られている感触があります。

瀬田:先ほどの「なってからでは遅い」という感覚が受け入れられているのですね。

Q.管理職側へ、コーチングなどのHOWも必須で受けさせているのですか?

佐々木:HOWは一切やらないです。HOWに近いところだとロールプレイングは取り入れていて、一度研修でやってみることにより現場で実践しやすくすることは意識しています。ただスキルの習得を研修内に設けると、現場の方々からは「そんなのできてるよ」「知っているよ」という反応が出てしまうので(笑)。役割期待の研修では、ロールプレイとか実際にやってもらい、意外とできていないな、と気づいてもらうような工夫をしています。

瀬田:ロールプレイはやってみて、録画でみると一発でわかりますもんね。やってみるというのは本当に大事、なかなかいうほどできないものですよね(笑)

瀬田最後に私から改めてご質問なのですが…佐々木さんが十数年携わっていて、三井物産は変化しましたか?かつては、人材開発の視点でいうと出向してそれまでよりも上のポジションになり業務を行うことが、成長する機会、人材育成の手法でもあるというイメージがありました。そういったポジションを若手社員が経験する機会は減ったりはしていないでしょうか。それにたいして何か手を打っているのであればお伺いしたいです。

佐々木:言い換えると、経験資源をどのようにつくるかというお話だと思います。
経験資源という意味では、出向という機会は確かに重要です。特に減っているという感覚はなく、むしろ若手が事業を創る機会は増えている印象さえあります。そう考えると、「三井」の中だけではなく外で勝負できる人材をどれだけつくれるか、といった準備は必要だと思います。

そのための経験資源として、今後重要になってくるのが「越境」でしょうか。
会社の外でどれだけパフォーマンスをだすことができるのか試す経験を積める、プロボノなどのプロジェクトに関わることで、若手社員自身に自信も生まれるし、社内に還元できることも増えると思います。社内だけで経験資源を増やす機会を探そうとすると、どうしても限界があると思います。ですから越境という一つの機会を会社として提供することで、適切なリーダーシップの涵養ができるのではないかと思います。

瀬田:なるほど、ウィル・シードとしても外に目を向ける、越境体験というのは取り組んでいるので共感するところがあります。若手社員の方に話を聞くと、学生時代に越境やプロボノを経験していると、入社後に成長する、自分で自分の仕事を意義付けしやすい、といった調査があるそうです。外を見る機会があること自体が、仕事人としてのバランスにも影響するのだろうなと思います。

佐々木:本当にそうですね。私も大学院に入って学んでいますので、そこは実感を持って語れますね。

瀬田:たしかに今回お話して頂いたシェアド・リーダーシップというテーマも、佐々木さんの越境体験の中から生まれたものですよね。これからまた、どのような新しい形に発展していくのかとても楽しみにしています。本日はありがとうございました。

佐々木:ありがとうございました。

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いかがでしたでしょうか?好評だったシリーズも今回で最終回となりました。
今後も、ウィル・シードでは若手社員育成を中心とした、有益なご情報提供や企画を用意しております。
是非、人事の皆さんと一緒にどうしたら組織において若手の力を引き出せるか?を今後も考えて参りたいと思います。
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■登壇者プロフィール

三井物産人材開発株式会社
人材開発部長
佐々木孝仁

2005年に株式会社リンクアンドモチベーションに入社、その後教育系ベンチャー企業を経て、2009年に三井物産人材開発株式会社入社。
三井物産・グループ会社向け研修の企画・開発・講師や、Harvard Business Schoolとの研修起ち上げ等を経験。
2017年にアジア・大洋州三井物産㈱(在シンガポール)に出向し、アジア地域の三井物産海外現地法人社員向け育成体系の再構築を主導。
現在は、人材開発部門の責任者として、三井物産および三井物産グループの人材開発・組織開発を支援しつつ、東京大学との組織の包摂性に関する共同研究をリードしている。
立教大学大学院経営学専攻(リーダーシップ開発コース)在学中。

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