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中核人材の成長ヒストリー(2)

今回は「修羅場体験」について、ハイパフォーマーの成長ヒストリーを論じます。具体的な体験は人それぞれですが、それらから見出しうる示唆はあるのでしょうか

ハイパフォーマーにとっての修羅場体験

ハイパフォーマー調査の概要については、コラム「企業で一目置かれる中核社員の特徴」をご参照ください。

WEBで “修羅場、仕事”を検索をすれば、その実例は枚挙に暇がありませんが、一般的には「強烈な矛盾状態の中で何らかの解決を見出さなければならない瞬間」を指すものと考えてよいでしょう。修羅場においては、人と人、品質と納期、短期と長期など、生まれてしまった激しい軋轢をどう切り抜けていくか、ということが求められます。

敢えてそういった体験の効能を言うとすれば「様々な視座/視点に触れ、緻密な問題解決能力を発揮し、苦しい中で最後は決断する」といったところでしょうか。逆にそういった見返りがないのであれば、個人にとって修羅場体験などはできれば避けたい機会でしょうし、できることならば初めからそのような状況にならない努力をすればよい、という話でもあります。

今回のインタビューでは、全ての方に「修羅場体験があったか?」という趣旨の問いかけをしました。しかし興味深いことに、当初の反応として「そういわれて思い浮かぶものはさほどない」というものが大半を占めたのです。当然、即答でエピソードを語っていただけるケースもありましたが、それは少数派でした。

調査を進める身として、修羅場エピソードとそこで得たものは非常に重要なテーマであったため、肩すかしを食らったというのが正直なところです。

修羅場を回避する、軽減する

しかし、掘り下げていくと「客観的にそれは修羅場と言える」「状況によっては十分に修羅場になり得る」というエピソードはたくさん出てきたのです。

上司指示で海外現地法人に向かったら、商品納期に対して全く間に合わない状況が起こっていた

親会社の意向により、大口の納入業者との契約を打ち切らざるを得なくなり、その交渉窓口となった

初めて現場に赴いたら現場スタッフとの関係性が完全に崩れており、話すら聞いてくれない状況になっていた

それこそ“枚挙に暇がない”エピソードの数々。そしてそのほとんどは、当時のポジション・経験に比してみれば難易度が高い状況でもありました。
 

ではなぜ、「修羅場といっても特に…」という反応になるのでしょうか。

いくつかの解釈はできますが、まず言えることは「それくらいはやれて当然」という、自身に課す水準の高さがあるということです。前回のコラムでも言及しましたが、ここでも「自信」「自分への期待」が、状況への認識に影響しているようにみえました。
 

そして、この認識レベルの共通性と異なる部分では、大きく3つの特徴が見てとれました。

一点目は「根気強く冷静に、粛々と対処している」という点です。これは、修羅場の渦中においても狼狽せず、本来のミッションや目的に立ち返り「その場の勝ち負け」ではない世界観の中で事に臨んでいるとも表現できます。

二点目は、個人としてそれまで築いてきた人間関係・信頼関係がベースにあるという点。たとえ利害関係上WIN-WIN関係の成立しない決断を迫られたとしても、相手から受け入れられやすい状況がすでにできあがっている、ということが挙げられます。

そして三点目、ここは彼ら彼女ら自身の言葉にはなってないケースが多かったのですが、「最後まで自分が矢面に立ち続ける」ということでした。当然、上長・関係者への報連相は行っているものの、渦中の接点においてはあくまで自分が対応し続ける、というある種の誠実さが、状況の打開を支えていました。言葉になっていないということは、この点については殆ど「当たり前にそうしている」ということなのかもしれません。

状況としては「修羅場であった」とも「修羅場になり得た」ともいえるエピソードの数々ですが、その渦中においてハイパフォーマーは非常に前向きに向き合っていたことがうかがえます。そういった「ぶれないスタンス」が、修羅場というものをある種冷静に受け止めている、ということが言えそうです。

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