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オンライン研修報告│Deep End Discussion(2)

緊急事態宣言の発令後、「受講生の学びを止めない」という意志の下、予定されていた集合研修をオンライン化しています。本プログラムでの受講生の様子を紹介すると共に、オンライン研修での学びを最大化するための方策を紹介していきます

日本語訳すると「谷底に突き落とす」という意味を持つ、「Deep End Discussion (DED)」、受講生が冷や汗をかきながら、多国籍の外国人とビジネストピックについてDiscussionし、その後に外国人及び日本人のアセッサーからフィードバックを受けるという受講生にとって刺激が大きいプログラムです。

会議室に入った瞬間、外国人が、日本人から見たらちょっと威圧気味にどんと座っているのが目につきます。外国人は、入室してきた日本人に立って挨拶することはなく、座ったまま「Hi」と言い、日本人はお辞儀をしながら恐縮気味に「Hi」と返す姿が印象的です。遠慮がちに着席する日本人は、カチコチに緊張しており、暗記してきた自己紹介を一生懸命話します。ディスカッションがスタートすると、真剣に議論する外国人の表情に笑みはなく、ペンをくるくる回す手や、相手が話しているときにもかぶせて話してくるスピード、ちょっとオーバーにも感じるリアクションに日本人が圧倒されてしまう…これがDEDでの光景です。高い緊張状態を乗り越えて、自分の主張をする、対等に議論をする、まさしくグローバルビジネスにおける練習試合といった雰囲気です。

この“場”をオンライン化して同等・それ以上の効果は得られたのでしょうか?

オンラインDEDでは、外国人3名と話す圧迫感や、その場から逃げられないという緊張感が減り、落ち着いた心理状態で参加しているように感じます。しかし、そこにはオンラインならではの修羅場感、難易度があるようです。以下で、3つの特徴を紹介します。

1.ジャンプインしないと存在感がゼロへ

対面でのディスカッションであれば、身長が高い、派手な洋服を着ている、堂々と座っているなど、存在感の出し方に工夫が可能です。しかし、オンラインになると誰もが同じ大きさの四角枠の中にいるので、発言をしないと存在感がゼロになってしまいます。外国人はかぶせて話してきますし、英語のスピードも速いため、日本人がジャンプインすることは非常に難易度が高いです。しかもオンラインになると、話そうとしている雰囲気を読み取ることも、読み取ってもらうことも難しいため、自分から勇気をもってジャンプインしていかないと、対面以上に話す機会を持てないまま時間が経過していきます。

2.カンニングできても知識・視座の高さには勝てない

オンラインは、画面にプレゼン原稿を映して、それを読むことができ、分からないことはインターネットで調べられる環境です。プレゼンという点では対面よりも修羅場感は減り、受講者優位に見えます。しかし、外国人参加者は、受講者を上回る豊富な知識と高い視座で鋭い突っ込みを行います。その場で検索した事実を伝えても、「あなたはそれをどう分析しているのか?どういった見解を持っているのか?」と聞かれ、受講生はタジタジとなってしまいました。

英語学習やプレゼン準備の重要性もさることながら、知識や本質の理解(なぜその活動をしているのか、意義や意味、それらを客観的データに基づき、自分の言葉で語れる)が不足していることを痛感する機会となっています。「その場で調べられる環境下で、この状態であれば、調べることが許されない対面ではもっとやばかったな」という危機感が、その後の英語学習やグローバル知識収集への強い動機付けとなっていきました。

 3.準備具合が如実に表れる

1つの画面に、全員の顔が映るオンラインDEDでは、相手の表情や視線が良く見えるため、本当に自分の言葉で話しているのか、何かを読み上げているのかが一目瞭然です。また、イントネーションや声の強弱を対面以上に意識しないと、相手に熱意やパワーが伝わりづらいという特徴もあります。言い換えると、対面以上に、テーマに対して想定Q&Aも含めた準備をしてきたか、それらを声に出して英語で話す準備をしてきたか、が如実に現れるのです。準備をきちんと行い、伝えたい自分の主張を持って英語の練習も重ねた人にとっては、対面でなくてもオンラインでもきちんと伝わる・相手の心を動かせることを実感できている様子も見られました。オンラインディスカッションであっても、場の温度が高まっているのを実感できるのです。

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