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第一生命保険株式会社 人事部
グローバル人財戦略グループ 部長
原由也 氏

グローバル人材になるための
20代の過ごし方

大変革時代の今こそ、
グループをけん引できる力を

大手生保初の株式会社化・上場、そして海外事業展開など、大変革時代を迎えた昨今、グローバルという切り口だけでなく、グループをリードできる人財育成が必要であることを感じていました。組織運営や人のあり方が変わったことに加え、経営環境やドメイン・商品、マーケティングの激変、AIの進化なども鑑みると、組織も、人材も、変えるべきだというのが第一生命の人事の課題です。

そのためにも、私たちはイノベーションを起こす力が必要だと考えています。生保事業は長きにわたって安定的な競合環境を維持していましたが、日本の生保市場が下降線をたどる今、次々と新たなイノベーションを起こしていくことが不可欠です。

原 由也 氏(第一生命保険株式会社 人事部 グローバル人財戦略グループ 部長)
原 由也 氏
(第一生命保険株式会社 人事部 グローバル人財戦略グループ 部長)

海外グループ会社の存在感が高まっている

原 由也 氏(第一生命保険株式会社 人事部 グローバル人財戦略グループ 部長)

2016年10月、変化対応力を高めるために、第一生命保険グループは持株会社体制へと移行しました。これまでは我々第一生命保険株式会社が「親」としてあり、国内外に子会社を持っていましたが、ホールディングスが「親」になったことで、我々はこれまで子会社だったグループ各社と兄弟になった。今はまだ「長男」かもしれませんが、海外事業が伸びゆく今、これから先も同じポジションでいるとは限りません。

海外グループ会社の存在感の高まりを実感するシーンにしばしば直面します。2014年から年に一度、海外グループ会社のメンバーを集めて「GMC(グローバルマネジメントカンファレンス)」という会議を設けています。スタート当初は我々日本側が主導していましたが、次第に海外のメンバーも積極的に参画するようになり、2017年には彼らが提案と会議の進行をするようになりました。

私たちはこれを「シナジーの追求」と呼んでいます。大きなイノベーションではないかもしれませんが、小さなイノベーションを積み重ねていることを実感しています。これ自体は非常に素晴らしいことですが、反面、日本側はそのグローバルビジネスのレベルに追いついていかなくてはならない。単に語学ができるレベルではなく、世界と伍していけるだけのスキルやコミュニケーション力の醸成が必要となりました。

海外派遣は何にも染まっていない
早期のタイミングがベスト

ほんの数年前まで、弊社のグローバル人財育成は、海外出向者ローテーション運営のためだけだったと言っても過言ではありません。そこから舵を切り、グループをリードする人財を確保することも視野に入れた施策の導入・拡充を推し進めてきました。

特に注力した施策は「2年次グローバル実践力強化(海外派遣研修)」です。2016年のトライアルには18名が参加。3週間、ベトナム、マレーシア、シンガポールに派遣し、アクションラーニングや仮説検証、インターンシップ型の研修などに取り組みました。2017年はさらに参加人数を増やし、53名が派遣されました。

グローバルを看板に掲げてはいますが、位置づけ的には将来「会社をけん引するリーダー」になるための入口です。わずか3週間で急にグローバル人財になれるわけではなく、自分の弱みを見つけても、改善するだけの時間もありません。しかし、現地で見えた課題は、海外でなければ改善できないものではないはず。日本にいても弱かったからこそ、海外ではより発揮できなかったという気づきを得て帰ってきています。

原 由也 氏(第一生命保険株式会社 人事部 グローバル人財戦略グループ 部長)

あえて入社2年目の社員を対象にし、早期に行うことに意義があると思っています。第一に、語学力を含むグローバルに欠かせないスキルの習得。これには年単位で時間がかかりますし、ゆくゆくは世界に伍していける人財にならなければいけませんから、早くからスタートさせるに越したことはありません。実は、弊社では以前、入社5年目の社員向けの海外OJT研修を実施してきましたが、5年目ともなるとひと通りのことはできるようになっている反面、イノベーションを起こすことや自己成長にもあきらめを感じている人が少なからずいます。しかし、2年目の彼らは失敗におそれずに挑戦し、高い好奇心や吸収力を見せてくれました。

できるだけ早期から海外に飛び出すといった動機づけをし、夢を持ちながらふだんの業務にあたることができる施策を打ち出す意義を感じています。また、正副の正を見せるなら、これも早いほうが良いと考えています。正とは、H型人材になるべきだと認識したり、海外で多様な価値観に触れたりと、今後、第一生命グループが大きく成長するには自分たちもそれらをやらねばならないという部分です。

20代では、ほかにもさまざまな研修を実施しています。例えば、3年目には営業やコンサルを理解するための「営業コンサルティング研修」のほか、トレーニーの取り組みも控えています。次世代を担うリーダーとして、各研修によってどのような行動変容があるか、成長できる姿勢が見えるかを確認しなければなりません。より適切な人財をリーダー候補にするためにも、彼らの成長の伸びしろを見る時間はあればあるほど良いと考えています。今後も継続的な育成施策と職務を通じ、真の成長を実現できるストーリーを提供していきたいと思っています。

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