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海外トレーニー制度−派遣期間中モニタリング②

海外トレーニー派遣をサポートし、のべ1,500回以上の面談を重ねる中でわかった 「海外トレーニー制度成功の秘訣」をご紹介します。

第3回では、派遣者がチャレンジングな環境に身を置いているかどうかを確認する「環境チェック」についてご紹介しました。第4回では、派遣者が順調に成長しているかどうかを確認する「派遣者の成長チェック」について解説していきます。

定期的に顔を見て状況を確認する

1500回を超えるモニタリング(SkypeやTV会議システムを活用した面談)の経験から見えた「派遣者の性質」があります。それは、「ネガティブな側面を人事には見せたがらない」ということです。

メールのやり取りでは順調そうに見えても、顔を見て対面で話を聞いてみると、どこか様子がおかしいことに気づくことがあります。それをキッカケにしてよく話を聞いてみると、「実は…」と問題や悩みを抱え込んでいることが判明するケースも珍しくありません。派遣者のサインを見逃さないためにも、定期的な面談をお勧めします。

特に、新しい生活環境や異文化への適応のためにストレスを抱え込みやすい「派遣直後」は重要なタイミングです。また、生活・職場環境にも慣れて仕事も軌道に乗ってきた「派遣から約半年後」の時期は、派遣者が勝手に基準の引き下げ(「この程度できていればOK」という思い込み)をしていないかをチェックすることが重要です。

定期的な面談は、派遣者の状況把握にとどまらず、「会社はあなたのことをちゃんと気にかけていますよ」というメッセージにもなります。本来は大きな期待をされて海外トレーニーとなった派遣者も、実は会社からどう思われているのかを気にしていることが多いのです。定期的な面談を通じて、ぜひ派遣者への期待を大いに伝えてあげてください。

「海外トレーニーのあるべき姿」と照らし合わせて進捗を確認する

当社では、海外トレーニーのあるべき姿を「適応段階の5ステップ」で表現しています。同じ派遣先にトレーニー同期がいるわけではないため、このようなステップや目安となる成長スピードの指標がなければ、派遣者が自分自身は順調に進捗しているのかどうかを把握することができません。これは、海外トレーニー制度の盲点です。

海外トレーニーのあるべき姿を段階的に示すとともに、現状とのギャップを埋めるべくアクションをどんどん実行してもらいましょう。

【ステップ】

  1. 生活に慣れる(目安:派遣後1ヶ月)
    インフラや食事などを含む環境変化の中で、ストレスを溜め込みすぎずに生活・就業できている状態。
  2. 職場に馴染む(目安:派遣後2ヶ月)
    職場メンバーとのコミュニケーション量を増やすことで、今後一緒に働いていく(巻き込んで成果を出していく)メンバーについて業務スキルや過去の経験、モチベーションの源泉などを含めて理解できている状態
  3. 組織の一員として業務を進める(目安:派遣後3〜6ヶ月)
    アサインされた業務について、期待水準を下回ることなくアウトプットすることで、周囲から「ちゃんと仕事ができる人」「組織にいて役に立ってくれる人」という信頼を獲得できている状態
  4. 自分の考えで相手を動かす(目安:3〜6ヶ月)
    業務を通じて組織やメンバーに貢献することで、周囲から「一目置かれている」状態(=何か提案をした際に、周囲のメンバーが耳を傾けてくれる、あるいは時間をとって話を聞いてくれる状態)
  5. 現地スタッフを巻き込んで成果を出す(目安:派遣後6ヶ月〜)
    改善活動や価値創出活動を自ら提案し、それに対してメンバーが協力して一緒に成果を出すべく行動できている状態

上記の適応段階とその時間軸の目安に沿って、派遣者の成長を確認しましょう。順調であれば次の段階に向けてのアドバイスをしてください。適応段階に遅れがある場合には、課題を分析して解決に向けたアドバイスをすることになります。第5回では、どのようにアドバイスをすればよいかを解説していきたいと思います。

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