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コロナ禍のグローバル人材育成 事例報告

新型コロナウイルスの世界的蔓延により、海外渡航しづらい状況が続いてきました。既に海外トレーニー選抜されていた社員をどのようにフォローするのか。コロナ禍の海外トレーニー制度について、サントリーホールディングス株式会社(以下、サントリー)の事例を紹介しながら、トレーニーをフォローするポイントをお伝えします。

コロナ禍の海外トレーニーが直面する壁

コロナ禍で海外トレーニーが直面するのは、「渡航延期」や「渡航できた場合に行う“リモート”でのOJT」です。これらは以下の事象を引き起こしかねません。

 

  1. トレーニーのモチベーション低下
    海外での生活、職場、現地社員との業務を楽しみに、準備してきたにも関わらず、「渡航できない」もしくは「いつ行けるか分からない」状況に陥っています。仮に日本からテレワークでのトレーニーをスタートしたり、渡航できたとして、テレワーク環境下でのOJTをするとなっても、現地社員と直接接点をもつことができません。このような中途半端な状況に、トレーニーはモチベーション低下や不安を抱えることに繋がる可能性があります。
  2. トレーニーとしての成長スピード鈍化
    英語力の不足も相まって、リモートでの関係構築や業務・組織把握に、より時間を要してしまいます。本来、トレーニーとしてチャレンジしたい、“リーダーシップ発揮”にかけられる時間が減ってしまう懸念があります。

 

これらのリスクに対して、サントリーは渡航延期による待機期間(一部のトレーニーは翌年の渡航に延期)をかけて、トレーニーのフォローを徹底して行いました。

サントリーの2020年度海外トレーニーの取り組み

2019年11月から2020年3月までは例年通り、以下の派遣前施策を行いました。

 

  • キックオフ(海外トレーニーの目的を確認)
  • 派遣前研修(派遣期間で獲得すべき要素の確認、取り組むテーマの検討など)
  • 個別面談(個々人で派遣期間中の目標を設定)

 

渡航延期が決まった4月以降、トレーニーは派遣先の部署とリモートOJT(派遣先によってアサイン内容は様々)及び国内関連部署でのOJTを行いながら、語学勉強とグローバルビジネス意識向上のための自己学習に取り組みました。以下がコロナ禍に行われた海外トレーニー施策の全体像です。

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サントリーの事例から見るフォローのポイント

コロナ禍における海外トレーニーのモチベーション低下や、リモート環境での学習の難しさを乗り越えてもらうために、人事ができる/すべきフォローアップとは何でしょうか。

 

【ポイント】

  1. 渡航前(待機期間中含む)~帰国まで繰り返し、海外トレーニー制度の意義と本人への期待を伝え続ける。トレーニーは将来のグローバルリーダー候補であるため、コロナ禍の先行き不透明な状況であっても、主体的に行動をすることが求められる存在であり、それを伝え続けることが重要。
  2. 渡航までにとことん準備させる(英語・グローバルビジネス意識・専門性)。日本にいながら/渡航後もリモートでのOJTがスタートする可能性も高く、どんな状況であっても、現地社員と関係構築できるように準備を徹底することが重要。また、トレーニー同期間での影響力は大きく、定期的にトレーニーを集めて切磋琢磨させると効果が高い。
  3. 受け入れ態勢(現地派遣先・日本での仮受入先)を個々に調整していく。待機期間中、派遣先との接点が少しでも持てるのであれば、トレーニーにとってはモチベーションが上がる機会となるため有効。また、国内の部署に再配属する場合であっても、上司や周りからの声掛けによって、国内での経験を翌年度の渡航にどう生かすかを考えさせながら業務に着手できるとよい。

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