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テレワーク環境での海外トレーニー

新型コロナウイルスの世界的蔓延により、グローバル人材育成について立ち止まる企業が多い中、サントリーはグローバル人材育成を進めてきた企業の一つです。今回はコロナ禍の海外トレーニーが何を感じていたかにフォーカスし、サントリーのトレーニーにインタビューさせてもらいました。

Global R&D部門
西成弘貴 氏

2020年3月末まで:生産部 輸出入品質G(輸出ウイスキーレギュレーション担当)
2020年4月より:キャリア開発部所属
トレーニー派遣先:Global Commercialization(Project Manager)

海外トレーニー延期が決まってからのモチベーション維持の難しさ

3月に入って心のどこかで「渡航できないのでは」という気持ちはありました。多少は予期していたこともあり、(渡航できないことに)大きなショックは無かったです。ただ、「いつ行けるのか」という渡航タイミングの先行きの不透明さに不安がありました。5月時点では渡航できる可能性が残っており、「今すべきことは何か」を考え始めましたが、モチベーションの維持は正直難しかったです。英語には不安があったので、語学勉強に対するモチベーションはありました。しかし、業務に関しては「日本でできることには限界があるでは…」と少しモチベーションが下がっていた自分がいます。6月、集団でのOJTから業務に直結する個別の具体的なOJTに切り替わりました。そこから、徐々にモチベーションが上がっていき、7月にはモチベーションが大きく上がったと思います。所属予定のグローバルR&D部門のメンバー全員とZOOMで行われた上期振り返り会議で顔合わせができたからです。

リモートOJTでのトライ

最初は生産系ポジションのトレーニー全体に対して、Zoomにてシカゴからレクチャーが行われました。6月から、プロジェクトマネージャー(以下、PM)のアシスタントとしてミーティングに入るようになりました。そして、8月以降はPM(主担当)として関わることができました。
実は、5月時点では別の国内OJTプランが立てられており、PM業務は渡航後を予定していました。しかし、9月まで渡航できないことが改めて決まり、6月末に自分から、PM業務のアサインを打診しました。「なぜやりたいか」を伝えると共に派遣先でのトレーニー期間が短くなる懸念を考慮し、「早めに取り組みたい」と訴えた結果、アシスタントとして加えてもらうことができました。その後、7月末には、9月以降渡航できないことがわかりました。そのため、リモートでもPMとして業務をできないか、を相談しました。「自分には時間があり、手伝える」「日本のメンバーと密にコミュニケーションがとれる」という武器をアピールしたところ、PMを任せてもらえることになったのです。
PMになってからは、ネイティブが使う言葉や話すスピードの速さなど、特に英語力で焦りを感じるようになりました。リスニングは通用するかも、と思っていましたが全然違いました。今までは標準的な北米英語ばかりに触れていたため、英国訛りや話すテンションの違いなど、様々な違いを感じることがありました。これからも、リモートでのPM業務が続くので、ここからどのように適応していくかはチャレンジです。

「テレワーク × 海外 × 英語」という環境下でのOJT

海外というお互いの物理的距離があるOJTには、テレワークのメリットが大きいと感じています。元々の業務で、海外のメンバーと電話会議などを月次で行ってはいました。ただ、どこか特別な行為という認識があり、身構えているところもありました。しかし、今ではテレワークが一般的になったこともあり、フレキシブルに対応可能です。「今日の夜、打ち合わせしよう」という会話も普通になりました。一方で、初対面の人との関係構築は難しいと思います。英語がネイティブでないから、日本人的な性格だから、など理由は様々あるかもしれません。(初対面の人だと)意志疎通の感覚に違いがあり、押され気味になります。アポを入れるにも、より丁寧に話したり、メールを一本入れたり、大変でした。

今後、海外トレーニーは渡航する必要があるのか

自分には「グローバルな領域で活躍したい」という目標があります。シカゴチームと日本チームをつなぐ、それも自分の業務・部署を超えてブリッジ役になっていくことが求められていると思っています。そのためには、現地チームとリレーションを構築するためのコミュニケーションが必要不可欠です。PMとして、一部の担当者とは現在もやり取りができていますが、他部署など、業務でかかわらない人とのリレーション構築はできていません。渡航するメリットはそこにあると思います。リモート環境では、業務で関わらない人に声をかけることは難しいですが、現地に行けば、パントリーで声をかけるとか、カフェテリアで知り合いをつくることもできると思います。また、製造工場などの現場を自分の目で見ることはとても重要です。「どのようなチェックシートを使っているのか」「ホワイトボードにはどんな検査の仕方が書かれているのか」。これらを全てをオンラインで見ることには限界があります。一つの可能性として、良いところしか(オンラインで)見せてもらえず、実態は大きく異なるかもしれません。出張ベースでも限界があり、現地でレポートラインに入るからこそ見えるものが必ずあると思います。だから、日本での一般的な認識と現地とのギャップは自分で見て、感じたいと思っています。文化や商習慣の違いも同様だと思います。とこれは強く言いたいです!

海外トレーニー延期を意味ある時間にする

語学勉強には徹底して取り組みました。今までも仕事で英語を使うことはありましたが、ネイティブや帰国子女とはレベルが違います。だから、語学勉強は4月以降も取り組んできました。知り合いがいるカナダの学校に、カナダ時間に合わせて、オンラインで参加していました。早朝にカナダの語学学校で勉強してから業務を始めるという生活リズムです。リアルな英語や情報に触れることができた点、複数の受講生と学習することでモチベーションをキープできた点、などが自分には良かったです。他にも国際会計の勉強も最近始めました。PMはP/Lを読んだ上で、答申を求められます。また、業務で英語の会計用語が飛び交うこともあるため、国際会計基準の勉強をしながら、英語の勉強もできると思い、取り組みました。

弊社の先輩はとても面倒見が良いです。先輩たちは私がトレーニーとして日本で過ごしていることを知っています。先輩からは(冗談で)「さぼっているだろ?」とよく声をかけてもらいました。だから、さぼれません(笑)。トレーニーとして部署からは送り出してもらっているので、自分がステップアップしないと顔合わせできない、という焦りもあります。また、渡航延期は、準備期間が増えたとも思えました。普段であれば、自己啓発の時間をつくることは大変ですが、業務と関係するスキルの研鑽ができる期間が伸びたことは、ありがたいと思い取り組んでいます。

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