人材育成に役立つ情報がたくさんCOLUMN

<トレーニー・インタビュー>グローバル基準で 総合的なビジネススキル・マインドが 試されるタフな経験

東京海上日動火災保険株式会社では、毎年入社3年目の社員を対象に、「グローバル研修」を行っています。例年であれば、海外で行われる研修ですが、2020年はウィル・シードのオンライン研修「リモート・プラクティカルトレーニング」を導入いただきました。オンライン形式で実施したグローバル研修からどのような学びがあったのか、実際に参加した受講生に話を聞いてみました。

2020.12.11

※リモート・プラクティカルトレーニングとは
海外と日本をオンラインで繋ぎ、ローカル企業(経営者)から出されたお題に対して、Buddy(ペアで協働するローカルのビジネスパーソン)と1対1で調査・提案を進めていく5日間の体験型研修
詳細はコチラ

異文化間での合意形成の難しさ

5日間で一番大変だったのは、様々な国籍が入り混じった10名で議論した時でした。アンケートの方針を決めるという場だったのですが、英語でのコミュニケーションのために、意志疎通がスムーズにいかず、相手が話していることを自分は適切に理解できているのか、自分の考えは正確に伝わっているかと絶えず不安でした。それに加えて、前提となる価値観や仕事経験もバラバラなため、全員の発言の意図や背景も理解できません。全てが曖昧で不確実な理解の中でそれでも合意形成するために粘り強くコミュニケーションしなければいけないという衝撃的な経験でした。

普段の仕事では、自分も相手も保険のことを理解していて、8割程度はコンセンサスが取れた状態で進めていくことができます。それに対して、今回のような正解が全くわからない状況では、下手な選択をして「空気が読めないヤツ」と思われたくなかったので、本音を言うと最初は誰か音頭を取ってくれないかな、と思っていました。でも、時間が経つにつれて、これはちょっとどうにもならないな、と。みんなから意見はたくさん出ていましたが、それがうまく噛み合っていない。論点を整理した方がいいと感じ、ここはチャレンジしてみようと思って自分から前に出てみることにしました。相手の国籍、自分の気質などに関わらず、自分が出ないと仕方がない、やってみようと、思い切って乗り越えることができた瞬間でした。

現在の仕事は、自分が最初から最後まで一人でやりきれるものではなく、上司に出てもらったり、他部署に協力を仰いだりと、自分自身が「アレンジャー」となることが多くあります。その役目は比較的好きで、得意だと思っています。しかし、それを価値観や前提が揃っている人同士でやるのか、価値観も考えも分からない人と探り合いながらやるのかという部分が全然違いましたね。3日目になると合意形成がスムーズにいくようになってきましたが、最初の探り合いの時間は正直心地良くなかったです。あまり押し過ぎても自分の意見だけになってしまい、Buddyとやっている良さが出ない。Buddyのやる気を削ぐリスクさえあります。しかし、Buddyの考えや思いを引き出そうにも何か仮説がないと引き出せない…という感じでした。あたかも、友達との会話において「ご飯何食べたい?」「なんでもいいよ」となる際と似たような感じだったと思います。それを英語でやっていた時間が特に難しかったです。

やってみて気づいたことは、相手がどこまで納得しているのか分からなくても、相手の意向を引き出すために歩み寄っていくことがやはり大事だということです。5日目にBuddyからのフィードバックをもらった際、「もっとバンバン決めて欲しかった」という意見があり、その時に、初めてBuddyの意見や思いを引き出し切れていなかったということが分かりました。研修なのでBuddyからフィードバックをもらえたものの、実際のビジネスだとそのチャンスはありません。今の顧客が自分をどう思っているのか、都度の判断は適切だったのかについて、例えば、担当が変わり、次の人に引き継いでしまうと、それは一切明かされないままになってしまいます。相手との都度の接点でしっかり情報を引き出すことができないと、認識の齟齬や目指すべき方向性のズレが生じてしまうとあらためて感じました。

研修を通じて見えた自分の強みと課題、研修後の変化

今回の経験を通して、仮説の立て方や、その仮説に対してどういうデータがあれば裏づけできるかなど、相手が納得するようなシナリオを作成することは、ローカル向けビジネスであれ、相手が外国人であれ、通用するなと思いました。一方で、思考が凝り固まってしまっている部分があり、そこはやはり課題だと感じました。日常業務でも過去に上司から「置きにいった提案」と言われたことがあります。✕ではないけど◎でもない所に着地させようとしていて、思考が凝り固まっている、ということです。それは今回の研修中にあらためて気づかされました。例えば、最初の段階でもっと発散するブレストの時間を一時間でも持てていれば、結果として同じような方向に向かっていたとしても、より面白いアイデアと融合できたのではないか、と思う場面もありました。今回の研修においても、自身のやり方や考え方の癖が出ていたのだと思います。

今回の研修を経て、相手との合意形成にあたってはしっかりと前提を確認することを意識するようになりました。人と協働する時には、自分が言葉に出していないことについて、相手が分かってくれていて当然と思って進めるのではなく、あえて前提を共有することを心掛けています。また、メンバーそれぞれがどういう価値観を持っていて、どういう進め方が快適なのかということを気遣いながら進めるようにもしています。部内の発表会でもこのことは宣言し、今でも実行しています。また、今の仕事では、お客様のビジネスを保険の仕組みを使ってより良いものにしていくアイデアが求められています。お客様と一緒にそういう仕組みを作っていくのにあたり、置きにいって話が小さくまとまってしまわないように、意識して取り組むようにしています。

海外に行けなかった現実との折り合い

昨年までのように海外に渡航して、二週間滞在できた方が、もっと深い経験ができたのかもしれません。しかし、部内からの反応としても、「一週間にしては面白い研修をしてきたね」という声が多く、自分の中でもプラスに捉えています。もちろん海外には行きたかったですし、どこまで自分がコミュニケーションを取れるのか幅広く試してみたかったという気持ちはあります。正直なところ、一週間で何ができるのか最初はよく分からなかったですし、リモートだったのでどんな研修になるのだろうと不安に思う部分もありました。しかし、実際には、リアルなビジネステーマで、しっかりとしたリサーチが必要な状況に置かれたことは本当に貴重な経験となりました。テーマを提示してくれた経営者の方は、想いを持って現地で奮闘されており、私たちからの提案を本当に必要としてくれていたので、「この人のために」と思えました。これが架空の企業ではなく、リアルなビジネスだったことはやはり大きいです。海外に行けなかったことは残念ですが、自分の中では整理がついています。

グローバルビジネスへの想いという意味では、いつかは一度海外で働いてみたいと思っています。実は先月担当した案件では海外とのやり取りが多くあり、非常にやりがいを感じました。その企業の海外を含めたリスクマネジメント全般を担当させていただき、とても良い経験になりました。こういう仕事を大きい規模でどんどんやっていきたいと思いますが、どうしても英語力がネックになると感じます。今回の研修では、2日目までは英語を喋る自体にも勇気がいるような状態でしたが、3日目以降は恥ずかしがらずに、「伝わればいいんだ」と割り切って喋れるようになったと思います。研修が終わった今も、英語については休日にオンラインで学習をしていて、アクションプランとして立てた「週に最低一回は英語に触れる」ことを継続して頑張っています。部内の発表会も実は英語で行いました。Zoomでしたので、あまり反応が分からなかったのですが、発表後に「良かったよ。英語頑張っているね」と言ってもらえたことが嬉しかったですし、「私も英語を頑張らなきゃと思ったよ」と言ってくれた方もいて、部内のメンバーがそういう意識を持つ良いきっかけにもなっていたとしたら嬉しく思います。

改めて自分を見つめ直す機会

グローバル研修というと、「世界を知る」ということで外に目を向けがちであり、「外に目を向けることは、自分に目を向けること」にも繋がるのだと研修前には想定していなかったので、自分に目を向けるなかで「普段の業務における自分」の課題をポジティブに知ることができたのは大きな収穫だったと思います。今回の研修はまさに自分の仕事の進め方や思考の癖に気づかせてくれた非日常の機会だったと言えます。日常業務だけでは、これは得られない気づきだと思います。実際にBuddyと二人でZoomの空間で英語しか使えない、どうしようもない状況に追い込まれて、良くも悪くも自分で何とかするしかない場面に直面するような修羅場はこの研修ならではだと思っています。一週間という非日常の中で自分のビジネススタイルを見つめ直す良いきっかけになったと同時に、世界には、本当に色々な価値観があること体感し、それが分かった上で社内・社外の方々と仕事ができるようになり、より仕事を進めやすくなっていると感じています。

FOLLOW US最新情報をfacebookで!

株式会社ウィル・シード

〒150-0013

東京都渋谷区恵比寿1-3-1
朝日生命恵比寿ビル9・11階

03-6408-0801 (代表)