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- 2021.09.10
- グローバル
IT業界/中堅社員が実感したグローバルマインドの重要性
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 経営管理・IR部では、2018年と2019年にシンガポールやマレーシアへの派遣を行う短期海外派遣研修を行っていました。しかし、コロナ禍で渡航中止となった2020年はウィル・シードが実施する5日間在宅海外研修を導入いただきました。オンライン形式で実施したグローバル研修からどのような学びがあったのか、実際に参加した受講生の内、海外との業務が多い中堅社員の中田氏から話を聞きました。
<プロフィール>
CTCテクノロジー株式会社 カスタマーエンゲージメント
グローバルビジネス企画部
中田 旬 氏
中堅社員だからこそ意味がある。
ゼロから考え、心新たに臨む研修
―業務経験豊富な中堅社員の方が今回の研修を受けて、どのような意味がありましたか?
中田:年齢・社歴を重ねると、段々と社内でも知り合いが多くなります。そこまで気を遣わなくても良いし、自分も気を遣ってもらえる。ですので、社内の仕事のしやすさは楽になる。一方で、この研修では、会社のポジションは何も関係なく、受講者のひとり。対するBuddyや課題を提示してくれる企業も海外の方で、気を遣わずに思うことを言ってきます。良い意味で、社内で楽をしていた部分を一から(新しい会社に入った感じで)頑張るという感覚で、気持ちが新たになりました。
Buddyとは初対面でフラットな関係ですので、最初は信頼関係を作る手がかりを掴むためにどうするか深く考えました。「相手が何に興味を持っているのか?」「共通の部分は無いのか?」などを聞いて、打ち解けるまでの2,3日間は辛かったです。課題について質問しても「No Idea」と言われてしまうこともあり、こちらが複数の案を示すようにして、「これはどう?こっちはどう?」と確認しながら進めていきました。普段のITに関する業務であれば、知識もあり、そこまで考えることはありません。しかし、課題提示企業は異業種でしたので、前提となる知識が無い中で、0から考えるのはかなり頭も時間も使いましたが、その分非常に勉強になりました。さらに、ともにタフな研修に共に取り組んだ、社内の横の繋がりもできたことも大きいと感じました。
IT業界において改めてマインドを鍛える重要性
―IT業界ではスキル系の研修が多いと思いますが、今回のようなマインドを鍛える研修はどうでしたか?
中田:すごく良いと思いました。社内でも技術面の教育にはポジティブです。一方でマインド面はあまりピンときていない。技術だと資格があるので分かりやすいのですが、結果が見えにくいマインド面を鍛えることに対してそこまでポジティブではないイメージです。どうしても、マインド面は分かる人には理解されますが、基本は、個々人で勝手に頑張って鍛えるというスタイルになりがちだと思います。まして、私の会社で海外事業はまだそこまで大きくなく、海外のことはイメージが持てない人も多いです。グローバル教育と言われてもさらに分からない。ここはグローバル教育を受けた人にしか良さが分からないというもどかしさもあります。
私は現場上がりですが、技術的な障害が発生したら、お客様に怒られます。そして、ある程度年次が上がるとさらに重要なシステムを担当し、もっとプレッシャーのある中で仕事をしていきます。ですので、必然的にマインドが鍛えられてきた部分もあると思います。しかし、今の若い人たちは少し様子が違うと思います。私たちの時代は「ミスして覚えろ」という感じがありましたが、今はミスをさせないようなオペレーションになっています。エラーが起きてはいけない、起きないためにどうするのかを事前に考える。ですので、お客様にすごく怒られるようなことが少なくなってきています。そういう面ではマインドを鍛える(あえてチャレンジや失敗をさせる)機会を設けることは必要な気がしています。
グローバルマインドを身に付け、
外国籍メンバーとの関係性が向上
―日常の業務に戻って、どのような変化はありましたか?
中田:同じチームの外国籍メンバーに対してゆとりをもって話を聞き、コミュニケーションをとれるようになりましたね。以前は、正直「何を言っているのだろう?」と、相手を理解できずイラッとしてしまうこともありました(笑) 今では、「彼らは彼らで考えているから、こういう風に言っているのだろう」と思えるようになりました。ですので、関係性は良くなりました。彼らからすると、違うことは違うとはっきり言って欲しい。はっきり言ってもきついとは思っておらず、日本人だったら気を悪くするような強い言い方だとしても、そこは動じない。「そういう意見も一理ありますね」となるくらいです。同時に、外国籍メンバーは自分に対してすごく意見を言ってきます。これまでは、「しつこいなー」くらいに思っていました(笑)。この研修を受けてからは、忖度なく率直に「ここがこうだからあなたの意見は違う」と言えるようになったので、上司からも「変わりましたね」と言われています。自分もグローバルマインドを持てていない部分があったのでしょうね。