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【AI時代の学びを再設計する|02】AIに任せられる時代に、人は何を考えるのか

「AIを使うと、人は考えなくなるのではないか」 生成AIの活用が広がる中、人材育成の場でもよく聞かれる問いです。一方で、すべてを自分で考えることが、本当に必要なのでしょうか。研修専用AIの開発などを通じて学びとAIの関係を考えてきた株式会社Chinookの山田氏に、AI時代の「考えること」について聞きました。

―「AIを使うと、人は考えなくなる」という見方を、山田さんはどう捉えていますか。

山田:僕は、思考をショートカットすること自体が悪いとは思っていません。
例えば、ここに来るまでにどの電車に乗ればいいかは、乗換案内で調べますよね。検索して出てきた電車に乗ればいいので、そこについて自分で一から考える必要はありません。
その分、移動中に「今日のインタビューでは何を話そうかな」と考えることができる。

仕事でも同じだと思っています。

AIを使えば、これまで自分で考えていたことをショートカットできる場面は増えていきます。大切なのは、本当に自分が考えるべきことと、考えなくてもよいことを見極めることです。

―AI時代には、「何を考えるかを選ぶ力」が重要になるということでしょうか。

山田:そうだと思います。何をAIに任せるのか。何については自分自身で考えるのか。その判断を自分でハンドリングできることが、これから重要になると思っています。
AIにうまく指示を出すことも必要ですが、その前に、「自分は今、何について考える必要があるのか」が分かっていなければ、AIを使う目的も曖昧になります。

AIの能力が高くなればなるほど、答えそのものは早く得られるようになります。
そうすると、人間側には「何を問いとして置くのか」「どこまでAIに任せるのか」という判断が残る。むしろ、考えなくてもよいことが増えるからこそ、どこに自分の思考を使うのかが重要になるのではないでしょうか。

―その考え方は、人材育成にも影響しそうですね。

山田:そうですね。「AIを使わせるか、使わせないか」という二択では、だんだん考えづらくなっていくと思います。

今回の研修でも、AIにワークそのものを解かせることはできます。でも、そこで育てたかったのは、受講者自身の考えを深めることでした。だから、AIには答えを出す役割ではなく、問いを返す役割を持たせました。

育成する側も、「ここはAIを使って早く進めていい」「ここは本人が一度立ち止まって考えることに意味がある」と、学習の目的に応じて設計する必要があると思います。
全部を自力でやることが成長なのではなく、どこで自分が思考の負荷を引き受けるのかを選べることが重要になるのではないでしょうか。

―AIがさらに進化していく中で、人にとっての「考えること」はどう変わっていくと思いますか。

山田:これからAIにできることは、さらに増えていくと思います。だからといって、人が考えることそのものが不要になるわけではありません。
むしろ、考えなくてもよいことが増えることで、「自分は何について考えるのか」という選択の重要性が高まると思っています。

「AIを使うな」でも、「とにかくAIを使いこなせ」でもない。何をAIに任せ、何を自分で考えるのか。

そして、思考をショートカットして生まれた時間や余白を、何に使うのか。そこを自分で選べることが、AIが当たり前になる時代の学び方や働き方においては重要になるのだと思います。

株式会社Chinookは、AI・システム開発、研修・教育、AEO・GEO支援を通じて、企業や組織の挑戦を支援。課題の整理から企画・開発、導入後の運用・改善まで、顧客とともに考えながら、現場で継続的に活用できる仕組みづくりに取り組んでいる。日々進化するAIの最新技術や動向を捉え、幅広い選択肢から、それぞれの事業課題に適した提案を行っている。

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