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問題解決力を日常的に発揮できる人材を育てる
VUCAの時代において、“問題解決力”の必要性に疑いの余地はありません。今や問題解決に関する書籍は簡単に手に入り、基本的な知識や開発手段に関する情報を容易に入手することができます。また、多くの団体や企業がそれぞれに問題解決力の開発に力を入れています。しかし、簡単に情報が手に入り、開発に積極的に取り組まれているにも関わらず、思ったように問題解決力が開発されない、または現場で発揮できている手応えがないというケースは、非常に多いのではないでしょうか。
問題解決力の開発が想定通りに進まないのは、問題解決力の活用や開発プロセスについて重大な誤解があるからだと私たちは考えます 。通常、能力はインプット後の継続的な実践を通して徐々に開発されていく ものです。しかし、多くのケースにおいて、「問題解決力は現業で今すぐに活用できるスキルではなく、将来的に必要になる可能性があり身に付けておくに越したことはない特別な能力」として捉えられている印象があります。知識の習得後、即時的に活用しない前提で問題解決力を捉えているからこそ、現場での実践に繋がらず、結果として能力開発が進まないのではないでしょうか。
前提として、仕事とはすべて問題解決なのではないでしょうか。仕事で価値を生み出すためには、常に何かしらの障壁があり、その障壁を乗り越えるためには、そこにある問題を解決する必要があります。つまり、私たちは気づかぬうちに、誰もが独自の方法で問題解決に取り組んでいるということになります。しかし、組織として効率的に成果を出していくためには、再現性があり、かつ組織内で共通するプロセスで問題解決を行う必要があります。そうした意味では一般的に知られるフレームワークは非常に意義深い存在ですが、課題として残るのが、「いかにして日常での活用イメージを醸成し、継続的な能力開発に繋げるか」という点です。
仕事がすべて問題解決の要素を含んでいるという前提に立つと、当然、その中で交わされるコミュニケーションは問題解決を目指したものであり、その中で私たちは、「何を解決すべきなのか」「なぜその問題が発生しているのか」「どうすれば良いのか」等、無意識に問題解決に取り組んでいることになります。その「コミュニケーション」と問題解決を紐づけ、コミュニケーションの中で問題解決スキルを発揮するイメージを持つことができれば、日常的に問題解決力を開発し続ける土壌を作ることができます。
従来の問題解決力研修の問題点は、「作法」としての理論や方法論の正しい理解(=座学)を重視し、受講者が「体感する」機会が少なかったことにあります。ビジネスシーンにおいてよく見られる打合せの風景を再現した動画や、受講者同士で取り組む演習を研修の中心に据えることで、問題解決力の発揮シーンを明確にし、実践に繋げるイメージを醸成します。
私たちは、日常のコミュニケーションにおいて、無意識に問題解決的な思考プロセスを踏んでいます。問題は、それが無意識下で行われていることです。コミュニケーションの中で意識的に問題解決力を発揮できる状態を作るために、「問題解決の地図」という表現を用いて、コミュニケーションの中で、それぞれの発言がどこにあるのか、自分は何がわかっていないのか、問題を解決するための空白はどこなのかをイメージする方法を伝え、自ら問題解決に向けて周囲に働きかけられるように促します。