CASE31AI時代の学びを
再設計する、
新たな挑戦

NTTドコモソリューションズ株式会社NTT DOCOMO SOLUTIONS, Inc.

インタビュー風景

NTTドコモソリューションズ株式会社では、若手社員のうちから、お客さまへの本質的な課題と提供価値を捉える「お客さま起点力」を育てることを重視しています。

2026年度、2年目社員300名超を対象とした「プロステップ研修」では、このお客さま起点力の強化に注力しました。一方、大人数の研修で一人ひとりの思考を深めるには限界があります。そこで今回、新たに取り入れたのが「研修専用AI」でした。

なぜ今、「お客さま起点力」が必要なのか。AIを活用することで、若手の学びはどう変わったのか。今回の取り組みと、そこから見えてきたこれからの若手育成について伺いました。

作業のプロではなく、
お客さま起点で価値を届ける人へ

―NTTドコモソリューションズが考える「お客さま起点力」とはどのような力でしょうか。また、なぜ若手の段階から、この力を強化したいと考えたのでしょうか。

上垣:まず、NTTドコモソリューションズがお客さまのビジネスパートナーとして価値を届けるために必要な力として、お客さま起点力・技術力・人間力の3つの力を定めています。
お客さま起点力は「誰に何の価値を届けるか」を定める力、技術力はその価値を具体的に実現する力、人間力は周囲と信頼関係を築き、協力を引き出しながら実行する力だと捉えています。三つは独立したものではなく、方向性、実現手段、推進力として相互に支え合う関係です。
私たちが考える「お客さま起点力」とは、お客さま・市場・競合を理解し、表面的な要望だけでなく本質的な課題と提供価値を捉える力です。
2年目は、担当業務には慣れてくる一方で、視野が狭くなりやすく、言われたことをやる“作業のプロ”に陥りやすいところがあります。自分の仕事が、最終的に誰に・どのような価値を提供しているのかを広い視野で捉えてほしいと期待しています。

渡辺:これは自社含め、グループ全体の傾向ともいえますが、技術を持っているがゆえに、技術者目線でサービスを作ることが多いんです。それで成功するときもあれば、空振りすることもあります。やはり、お客さまを見てはじめて「自己満足のサービスを作っていたよね」と気づけることもあるので、お客さま起点に物事を考えるというのは、ドコモグループ全体でも重視しています。

―「お客さま起点力」の育成に「課題解決」というテーマを扱ったのはなぜでしょうか。

上垣:課題解決の手法を理解しただけでは価値提供につながらず、課題を設定し、周囲を巻き込み、解決までやり抜くプロセスが必要だからです。ワークを通じて全体を俯瞰し、自業務へ落とし込む体験を重視しました。

一人ひとりに学びが届く、
AIという選択肢

渡辺 東氏
NTTドコモソリューションズ株式会社
総務人事部キャリアデザイン部門 担当課長
渡辺 東氏

―300名を超える研修では、どのような難しさがありましたか。

渡辺:これまでは、均一な研修を届けるという最低限のところはできていたと思います。一方、講師に無限に質問できるわけでもない限られた時間の中で、いかにして一人ひとりが考えを深めていくかという点については、課題を感じています。

―そこで、なぜAIを取り入れることにしたのでしょうか。

上垣:はじめはAIありきというわけではなかったんです。当時は「若手にAIをどこまで使わせればいいのか」ということへの解は持っておらず、どちらかというと「若手は自分の頭で考えるべき」といった考えが強かったかなと思います。

渡辺:サブ講師が担っていた個別支援の一部を、AIで補完できないかという案が御社と話す中で出てきて、面白そうと思ったことが、研修でAIを活用するに至ったきっかけです。

上垣:今回、我々の中ですごくいいなと思ったのが、講師とAIの役割分担が明確化できていた点です。場で生まれる学びや全体での対話は講師が担保し、一人ひとりの考えをしっかり深めることについてはAIとの壁打ちの中でやってもらおうというところがはっきり分解できました。対面研修だからこその価値を最大化しつつ、個別の学びを深めることに挑戦しました。

インタビュー風景

―若手は自分の頭で考えるべきといった考えもあった中で、AIの活用と考え抜くことの両立に踏み切ったのはなぜでしょうか。

上垣:今の若手はAIネイティブと言われていますし、本人も「使いこなしている」と感じている人も多いと思います。ただ使い方を見てみると画像生成で終わっていたりとか、自分の考えを深めるための壁打ちに活用できている人は案外少ないように思います。だからこそ今回は、むしろAIとの壁打ちを通して頭に汗をかきながら自分の思考を深めていってほしいという思いがありました。今回は、そのための「研修専用AI」の設計にもこだわりました。

上垣 鮎香氏
NTTドコモソリューションズ株式会社
総務人事部キャリアデザイン部門
上垣 鮎香氏

人が考えるために、
AIに何をさせるのか

山田 雄太氏
株式会社Chinook
代表取締役
山田 雄太氏

―「壁打ち」というキーワードが挙がっていますが、今回の「研修専用AI」の開発において、どのような点を重視して設計されたのでしょうか。

Chinook 山田:今回のAIは、あくまで「学びの伴走者」です。受講者の代わりにワークをするのではなく、本人が考えるための壁打ち相手になることを前提にしました。
AIに課題を丸ごと渡せば、答えをつくることはできますが、それでは本人が考えなくなってしまいます。
そこで、AI側から積極的に問いを返し、一度に長文で答えず、短いやり取りを重ねながら受講者の中にある考えを引き出すようにしました。
これは、人が教育するときと同じ発想です。良いファシリテーターは、すぐに答えを教えるのではなく、本人が答えにたどり着けるように「思考の補助線」を引きます。問いを投げながら、その人の考えが回るように支援します。
それをAIに担ってもらうとしたら、どんな振る舞いをさせればよいのか。そう考えて設計しました。
受講者の考えを「良い・悪い」と一方的に判断せず、あくまで受講者自身から考えを引き出すことを大切にしています。

答えをくれない
「もどかしさ」も狙い通り

―実際にAIを活用した研修を実施してみて、どのような手応えがありましたか。

上垣:研修の中でAIを実際に使うことで、「答えをもらう道具」ではなく「考えるための壁打ち相手」という使い方を体験できました。繰り返し質問が返ってきたり、「なぜ」と一段掘り下げて問われることで、思考を深めていく過程を実感できたのではないかと考えています。

―今後に向けた課題があればお聞かせください。

有吉:壁打ちを体験させることはできましたが、「なんで答えを教えてくれないんだ!」といった反応もありました。ねらい通りと言えばそうですが、やはり普段使っているAIとのギャップを感じている受講者もいたので、どんなスタンスで活用すると良いのかを最初に整えておけると、さらに効果が上がったのではないかと感じています。

有吉 寛晃氏
NTTドコモソリューションズ株式会社
総務人事部キャリアデザイン部門
有吉 寛晃氏

AIで広がる育成の“やり方”、
改めて問われる人の“あり方”

―AIを活用する研修から見えてきた、今後に向けた可能性や展望があればお聞かせください。

有吉:受講者の皆さんの取り組みを後ろから見ていただけでも、問いの投げかけ方などが人によって異なり、様々な発見がありました。今後、これらのデータの蓄積・分析ができると、研修の効果測定や受講者特性の把握、事後フォロー等において、幅広い可能性が広がります。10年後などの先々を見据えて、本当に必要な教育施策を模索していきたいと思います。

―AI時代において、これから若手社員にはどのような力を育んでいきたいですか。

渡辺:AI時代だからこそ求められる「人間力」の強化に取り組んでいきたいです。具体的に何なのかというところはまだ模索している途中なのですが、自らしっかり目標を立てるとか、前提を疑うとか、より良い問いを立てる、といった能力は育てていきたいと考えています。
若手の頃は、目の前にある仕事の課題解決をする側ですが、立場が上がるにつれて、課題を設定する側になっていく。そうなったときに役に立つような仕込みを今のうちからしていきたいなと思っています。例えば「何年か前にやったあの研修のこういう考え方が使えるんじゃないかな」とか、そういう種をまいておきたいです。

有吉:そうですね。目の前の課題に寄り添っても、それはあくまで“抗生物質”でしかないのかなと。後からじわじわと効いてくるような“漢方薬”のような施策を目指していきたいですね。

インタビュー風景

AI時代の育成の「やり方」と「あり方」を改めて捉え直すきっかけとなった今回の取り組み。振り返って改めて大切だと感じたのは、その出発点にあったのが、AIという新しい技術ではなく、「300名規模でも、一人ひとりに学びを届けることをあきらめない」という人事のこだわりだったことです。

AI時代だからこそ、私たち自身もAIという手段にとらわれることなく、「そもそも、何のために学びをつくるのか」「学びに対して真摯であり続けているか」という問いを持ち続けたいと思います。

NTTドコモソリューションズ

AI時代の学びを再設計する、
新たな挑戦

CASE31NTTドコモソリューションズ

東日本電信電話

人材育成で社内文化を変える
「NTT East College」の挑戦

CASE30東日本電信電話

岡谷鋼機

好奇心を刺激し、視野を広げる
自文化理解研修

CASE29岡谷鋼機

三井住友信託銀行

多国籍のビジネスリーダーと
対峙できるマインドとスキルを鍛える

CASE28三井住友信託銀行

大月市役所

官と民の共創が生み出す
創発効果

CASE27大月市役所

東京都教育庁 起業創業ラボ

共創が生む
新しい教育のかたち

CASE26東京都教育庁 起業創業ラボ

野村ホールディングス

ファイナンス部門が取り組む
「専門性×グローバル」
両利きの人材育成

CASE25野村ホールディングス

伊藤忠テクノソリューションズ

変化の激しいIT業界
未来を見据えたグローバル人材育成

CASE24伊藤忠テクノソリューションズ

NTTドコモ

新入社員のリモートワーク適応
職場と育成をいかに連動させるのか

CASE23NTTドコモ

エヌ・ティ・ティ・データ

DXの意識と行動の浸透
顧客と共に創出する未来

CASE22エヌ・ティ・ティ・データ

花王

トップブランドを目指す“Kao”の
新しいキャリア研修への挑戦

CASE21花王

東京海上日動火災保険

「価値観を揺さぶる」
リモートでのグローバルなビジネス経験

CASE20東京海上日動火災保険

株式会社バンダイナムコアミューズメント

三カ月間の新入社員研修からみえた
「オンライン」と「リアル」の違い

CASE19バンダイナムコアミューズメント

住友商事

人材育成を止めないために
舵をきった
「新入社員研修オンライン化」

CASE18住友商事

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新たな価値を生み出せる
変革者を育てる海外異業種体験

CASE17日本航空

サントリーホールディングス

グローバルビジネス意識を向上させる
『English Boot Camp』

CASE16サントリーホールディングス

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組織の育成風土づくりの
きっかけは「新入社員OJT」

CASE15アドヴィックス

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『よい朝のために。』
ブランドを支える人材育成

CASE14共立メンテナンス

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若手の声ではじまった
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CASE13サンゲツ

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シリコンバレー派遣研修

CASE12東京急行電鉄

日清食品株式会社

フィードバック文化を育む
成長実感会議

CASE11日清食品

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CASE10Dell EMC

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CASE09豊田市役所

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CASE08北上市 子ども創造塾事業

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CASE07横河電機 情報システム本部

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CASE06ジェイティ奨学財団

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CASE05三重大学・鈴鹿医療科学大学

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CASE04住友金属鉱山

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若手 × 階層別研修 × 海外体験

CASE03東京海上日動火災保険

パーソルキャリア

会社を飛び出して学び
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CASE02パーソルキャリア

サントリーホールディングス

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CASE01サントリーホールディングス

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