CASE23新入社員の
リモートワーク適応
職場と育成をいかに
連動させるのか

株式会社
NTTドコモNTT DOCOMO, INC.

インタビュー風景

2020年度は多くの企業でリモートワークが導入され、どの企業にとっても初めての出来事だらけの一年でした。その中、NTTドコモでは2020年度に直面した問題を踏まえ、いち早く人材育成施策をブラッシュアップさせています。今回は弊社ウィル・シードも企画に携った新入社員の成長支援を中心に、NTTドコモの伊東氏、緒方氏、松丸氏にインタビューしました。

働き方や価値観の変化に応えた育成方針

ーまずは新入社員や若手社員の育成方針を教えてください。

伊東:全社的にコンピテンシーを軸とした「自律的キャリアの形成」を目指しており、若手育成においても「個に合わせた育成」をテーマにしています。

松丸:コンピテンシーを明確に社員へ伝えて、自律的キャリアの形成を目指してもらおうと方向転換したのが2020年の10月になります。一年かけて、現場まで落とし込んでいき、今年の10月から本格始動していくイメージです。若手の育成も、今年から「個に合わせた育成」へと切り替えてきました。

NTTドコモ 人事部 人事企画 人事企画担当 松丸 愛 氏
株式会社NTTドコモ
人事部 人事企画 人事企画担当
松丸 愛 氏

ー最近の人事領域の流れも踏まえた方針という印象を受けましたが、具体的にどのような変化を加えたのでしょうか。

伊東:今までは年次別に全員が決まったタイミングで参加していた研修を、自分たちの参加したいタイミングで受けられる仕組みへと変更します。入社一年目下期から二年目の上期まで、同一の研修を複数回に分けて開催します。全社員が自分で参加する研修を選んで、自分でキャリアを形成する動きになっているので、若手社員も上司と相談しながら自分のタイミングで受けられる研修にしていきます。

例えば、以前はロジカルシンキング研修を一年目の1月に開催していました。しかし、営業部署の新入社員は導入研修後すぐにショップ研修へと切り替わるので、業務に十分に携わっていないタイミングでの参加はちょっと早いかな、と。一方で、サービス企画では配属直後から企画業務に携わるため、一年目の1月では遅いと感じている部署もありました。そのため、新入社員も自分に必要なタイミングを考えて、研修へ参加できるようにしていきます。

松丸:「自律的キャリアの形成」に向けて、数年前から若手社員にキャリアを考えてもらう機会としてキャリア講演を始めました。また、弊社では三~五年に一回を目安にジョブローテーションがあるので、キャリアを考える機会を前倒しする目的で、2年目にキャリア講演を行うといった変更も最近取り入れました。

アウトプット重視、実戦形式、
職場で発揮される研修に

ー新入社員研修も昨年からいろいろ変更されたとうかがっています。どのような背景があったのでしょうか。

伊東:2020年度は、リモートワークによる働き方のシフトを契機に、新入社員フォロー体制の構築や、同期間の関係性希薄が問題として挙がっていました。具体的には、精神面や業務面の細かいフォローが不足しており、困りごとを誰にも相談できずに抱え込み、休職に入ってしまったり、会社との繋がりが希薄で離職に繋がることもありました。6月から7月にかけて新入社員と人事の1on1面談を実施しましたが、それでもフォローが足りなかったと思います。昨年の1on1面談では精神面や業務の悩みを聞くことは一定できましたが、全ては聞き出せておらず、かつスキル面のアドバイスを行うところまではできていなかったからです。

インタビュー風景
株式会社NTTドコモ
人事部 人事採用 人事採用担当主査
伊東 俊輔 氏

松丸:人事との1on1面談では、新入社員が話せないこともあります。彼ら彼女ら自身が他の同期と比べて、業務面でどのように進んでいるのか。他の同期は今何をしているのか。入社以降の経験で自身が成長できているのか。出社していたときに実感できていたことが、リモートワークで働いているとわからない、という不安は一部の新入社員から挙がっていました。

ー他社からも近しいお話しをうかがいます。そのような背景を踏まえて、どのようなことを変えてきたかを教えてください。

伊東:「個に合わせた育成」の実現やコンピテンシーを基軸とした育成はもちろん、配属後すぐにリモートワーク環境でも業務を遂行できる状態を導入研修では目指しました。インプットだけでは定着しないので、今年はアウトプットの機会を増やす設計にしたことが特徴的です。

緒方:配属後にオンラインでの業務がスタートする前提で、職場で行われそうなコミュニケーションにフォーカスしました。ウェブ会議中のディスカッションやコミュニケーション、資料操作、メールの書き方など。配属された新入社員が、「研修で学んだ内容だな」と感じられる設計にしました。

松丸:新たにシミュレーション研修『DIVE』(※1)を導入したのも、リモートワーク環境でいかに新入社員がバリューを発揮していくかを熟慮した結果です。研修中に職場を擬似体験できる点がいいなと思っていましたし、実施してみると新入社員たちが楽しんで、前のめりにやっている印象だったのが良かったです。チューター(※2)からも「一番職場に近い形式の研修で、新入社員の学びに直結していた」という声をたくさんもらえました。リモートワーク環境で働くイメージを研修中に持てたことは、新入社員の立ち上がりの早さにも繋がっていると感じています。

伊東:昨年はグループワークもあまりできていませんでした。そのため今年は、研修最後の三日間にグループワークを入れて、導入研修で学んだことを出し切る機会も設けました。導入研修に対する達成感の醸成に加えて、オンラインのコミュニケーションを実践的に学ぶ場にもなりました。このグループワーク前にはチームビルディング研修も設けて、グループワークの進め方を学んでもらいました。その上で、研修最後のグループワーク三日間を用意したので、PDCAを回す意識を実践する場にもなっています。

ー2021年からは新入社員向けに(入社)3か月後研修も始まりました。

伊東:業務の課題がみえてきたであろうタイミングに、お互いの状況を共有しながら、今後に向けたアクションを考えられて良いのではないか、という狙いがあります。また、業務における同期との繋がりをつくるという意図もあります。

松丸:ビジネスの現場を想定したロールプレイングを行い、チェックシートで自分のできている点/できていない点を把握する時間を設けました。研修参加後のアンケートでは「何がわからないか、がわかった」「自分が正に悩んでいたところだった」「同期との経験を通じて、気づけた点がある」という声があり、同期を見ながら相対的に自分の立ち位置を知るという意味があったと感じています。

インタビュー風景

社員のおかれている状況を考え、
着実に環境を変えていく

ー研修企画側で様々な工夫を凝らされたことが伝わります。参加者や周囲からの反応はいかがでしたか。

株式会社NTTドコモ 人事部 人事企画 人事企画担当 主査 緒方 隆仁 氏
株式会社NTTドコモ
人事部 人事企画 人事企画担当 主査
緒方 隆仁 氏

松丸:リモートワーク下でいかに新入社員が立ち上がるか、という点にかなりこだわり、現場の社員からも「立ち上がりが去年よりも早い」と言ってもらえました。新入社員もオンライン環境に慣れており、順応性高く、我々の思いを汲み取って前のめりに参加してくれていたことも大きかったと感じます。

伊東:あとは、同期間の繋がりについて、昨年との比較を事務方で話しました。配属後の雰囲気はやはり昨年より和気あいあいとしており、例えば一緒にご飯を食べるといった関係性はみられるそうです。配属され仕事が始まると上司や先輩との繋がりが強くなりがちで、一年目の下期に同期間でコミュニケーションをとる研修を実施するのではタイミングが遅い、という声も各組織から聞いています。やはり今年は導入研修後も組織的にフォローアップしたことで、全体的に仲が深まっている印象です。

ー具体的な内容のお話まで聞かせていただき、ありがとうございました。最後に若手社員の育成について、今後の展望を教えてください。

伊東:若手社員の育成全般の課題は、コミュニケーションです。「新入社員を、上司と一緒にどのようにフォローしていくか」をこの一年間考えてきました。先輩社員を巻き込んだ業務・精神面のフォロー体制をつくっていた部署もあります。それでも、精神的に不安になる人も多少はいますので、新入社員の状況をどのようにキャッチアップし、改善していくかは来年度以降の課題です。

自律的キャリアの形成という面では、新入社員も含めて、最初は上司がハンドリングして導くことが必要です。ただ、上司による支援に濃淡があるので、組織として均一された支援ができるようにしていく点が課題です。

緒方:今後は研修ラインナップを増やし、社員それぞれが「ここはもっと深く学ぼう」「この分野は自分には早いかも」というやり取りをできても良いと思います。リモートワーク環境では、当然周囲があまり見えません。研修でも「自分が所属するチームの状況はわかるけど、他がどうやっているのかはわからない」という声を聞きます。どうしても周りからの刺激を受けにくい環境なので、もっと周りの状況がわかる仕組みをつくりたいと考えています。

(※1)ウィル・シードが提供する新入社員向けシミュレーション研修。
(※2)導入研修期間中、新入社員と密なコミュニケーションが行えるようクラス毎にチューターがついている。

インタビュー風景

“NTTドコモ”という会社の強さや柔軟さを感じられるインタビューでした。未知の局面でも、発生している問題と向き合い、原因を絞り込み、具体的なアプローチを検討していく。このサイクルを回して、着実に効果を出していることがうかがえます。変化する時代の人材育成では、このような意図をもった設計がより求められるのかもしれません。

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