WiLLSeed

リアル&リモート

リアル&リモート イメージイラスト
リアル&リモート ロゴ
FEATURES

14回連載

新型コロナウィルスの感染拡大により、未来はどのように変化していくのでしょうか。リアルとリモートが混在する環境でのHRDのあり方を探求していきます。

ただ、新人研修で教えられるような「一般的な知識」で対応できる場面というのは、実際に仕事をしてみると分かるが、想像以上に少ない。その意味で、できるだけ早期に後者の方法、すなわち「その都度、自分で生み出す」という方法で行けるよう、対象者を鍛えねばならない。
 とはいえ、鍛えるのは「思考力」であり、そう簡単なことでない。ある種の知的資質(抽象を具体に変換する知性)をもった人なら、労せずして体得も可能であろうが、そうでない人にとっては、それなりに時間と手間をかけたトレーニングが必要となる。

上記に関わるトレーニングとして、以下の3つを提起したい。

第1のトレーニングは、職場で発生しがちな具体的な状況を提示し、その状況下において、「企業人として必要な意識」を踏まえた「適切なふるまい」とは何かを、本人に考えさせるというものである。状況を考える作業でいくらか手間はかかるが、こうした思考作業を反復的に行うことで、「その都度、自分で生み出す」という能力は、少しずつ、しかし着実に伸ばすことができる。

第2のトレーニングは、従来型のごく普通の指導、すなわち「不適切と判断されるふるまいがあったら、その場できちんと指摘する」というものである(指摘するには、「動かしがたい事実」が必要であり、できるだけ発生したその場でのフィードバックが望ましい。オンラインの場合でも、成果物という「事実」を見て指導することなどはできるはずなので、ある程度は可能な指導のかたちといえる)。
 その際に大切なのは、たんに不適切な点を指摘するだけで終わらず、「何が適切なふるまいであったか」を、十分な時間をとって、本人に自分の頭で考えさせることである。たんなる問題指摘の場にせず、「応用力」を磨くトレーニングの場とすること。新人育成において重要な考え方といえよう。

しかし、リモートあるいはハイブリッド環境下では、接点の少なさから、こうした「動かしがたい事実」と遭遇する機会が大幅に減少し、十分な指導ができない恐れがある。 そこで推奨したいのが、第3のトレーニングである。
 一定期間の中で「企業人に必要な意識に照らして、何ができて何ができなかった」を本人に振り返らせ、その報告をもって、面談などを通じて指導をすること。対象者との接点が減少し、本人に関する情報量が減少する環境においては、不可欠な方法となろう。

第7回:ハイブリッド環境下での育成環境(前半)

NEXT

第7回ハイブリッド環境下での
育成環境(前半)

「場の情報性の減少」に挑む

ハイブリッド環境下での人材育成

リアル&リモートHRD研究所 一覧へもどる

リアル&リモートHRD研究所 一覧へもどる

COLUMN

関連ケーススタディ

FOLLOW US最新情報をfacebookで!