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6回連載

新型コロナウィルスの感染拡大により、未来はどのように変化していくのでしょうか。リアルとリモートが混在する環境でのHRDのあり方を探求していきます。

前回、「長期的な人材育成とリモート化」の双方を満たすことが困難なのは、「これまで想定していなかった様々な根本的問題に直面する」ためであると述べた。そうした「根本的問題」の中でも、もっとも影響が大きいと思われるのが、「場の情報性の消失」の問題である。それはいかなるものなのか。今回と次回、「リモート環境下での人材育成」というテーマに迫るための最初のステップとして、この問題について考察してみたい。

ここでいう「場の情報性」とは、「人が一緒にいる場所には多種大量の情報が連続的に生まれている」ことを意味する(同時に「そこにいる人は多種大量の情報をつねに共有している」ことも意味する)。「情報」といっても、たいそうなものである必要はない。「場所」が職場であるとすれば、隣席のAさんが課長に叱られて落ちこんでいたとか、そんなことで十分である。こんなありふれたシーンでさえ、実は多種大量の「連続的な視覚情報や聴覚情報」を含んでおり、そこにいるメンバーたちは、(ほとんど無意識のうちに)それを皆で共有しているのである。

「場の情報性」にはさまざまなメリットがある。

最大のメリットは、コミュニケーションの負荷軽減である。仕事を一緒にしてきて、経緯が共有できている同僚ならば、こまかな説明をせずとも、だいたい期待通りの仕事をしてくれる。とくに多忙なとき、あるいは物事をスピーディに処理しなければならないとき、その効果は絶大で、だからこそオフィスワークは不変だと思われていたのである。

また「育成」においても「場の情報性」には、多くのメリットがある。1つには、育成対象者の「成長の源泉」となることである。これについては、次回に詳しく述べる。

また育成担当者にとっても、大きなメリットがある。まずは、育成対象者の人物像を知るための情報源として重要である。1対1の面談で得られる情報もあるが、本当の性格や能力は、仕事ぶりや人との接し方など、その人物の「日常」を観察してみないと分からない。それは「場」でないと得られない情報である。

また、対象者への指導や支援においても、「場の情報性」は大きな意味を持つ。一緒にいて、相手の情報が刻々と入ってくるからこそ、タイムリーに注意もできれば、褒めることもできるし、助け舟を出すこともできる。相手の情報をリアルタイムで把握できることは、育成の成否に関わる重要事なのである。

オフィスワークが自明であったとき、「場の情報性」は、ほとんど意識されることがなかった。しかし、コロナ禍の中で、その貴重さを認識した人は、かなり多いのではないかと推測する。大切なものは、失ってはじめて分かる。これもまた、数ある「コロナ禍による気づき」の1つなのであろう。では、それを失うことで、人材育成にはどのような問題に直面することになるのだろうか。

第3回:問題は「場の情報性の消失」にあり

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第3回:問題は「場の情報性の
消失」にあり②

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